市川港の魅力を再発見
千葉県市川市にある市川漁港。その海で水揚げされる「サルボウガイ」「クロダイ」「キビレ」などの魚たちは、実は地域にとって大きな課題を抱えています。そんな中、千葉商科大学付属高校の生徒たちが、これらの課題魚を活用して新しい特産品「いちかわのいちくわ」を開発しました。今回はこのプロジェクトの背景と製品の特徴について詳しくご紹介します。
商品開発の背景
市川漁港で水揚げされる魚は、その多くが認知度が低く、まだまだ市場では広がりに欠けています。その結果、廃棄されてしまうことも少なくありません。また、近年の個体数の増加が海の生態系に影響を与えることも懸念されています。そこで、生徒たちはこれらの魚を使った「いちかわのいちくわ」を開発し、地域の課題に対する関心を高めることを目指しました。このプロジェクトを通じて、地域の海の魅力を再確認し、消費者に新たな食文化を提供することが目的です。
「いちかわのいちくわ」の特徴
「いちかわのいちくわ」は、ぷりぷりとした食感が特徴のちくわです。原材料には、市川漁港で揚がった新鮮な魚肉が使用されており、卵やでん粉、酒、味醂、醤油などの調味料が絶妙にブレンドされています。そのため、そのまま食べても、煮物やおでんに使っても美味しく味わえます。このように、魚の旨みと出汁が口の中に広がるのが大きな魅力です。
プロジェクトの目的
この商品開発は、市川商科大学付属高校の商業科ビジネスコースの価値創造プロジェクトの一環として行われています。このプロジェクトでは、地域企業と連携しながら新たな価値を創造することを目指しており、これまでにも30社以上とコラボレーションを行ってきました。生徒たちは商品を通じて、消費者に地域の魚の魅力を伝え、海洋環境問題に対する理解を深めてもらいたいと考えています。
LOCAL FISH CANグランプリ2025への挑戦
「いちかわのいちくわ」は、全国の高校生が地域の課題魚を使った商品を競う「LOCAL FISH CANグランプリ2025」にも出場し、全国61チームの中から選ばれた9チームのうちの一つとして、試食販売やプレゼンテーションを行いました。この大会は、地域の課題に対する意識を高めると同時に、実践的な商品開発を通じて、生徒たちが貴重な経験を積む場となっています。
イベントと販売情報
「いちかわのいちくわ」は、11月22日(土)と2026年1月24日(土)、2月7日(土)に、道の駅いちかわでのイベントにて販売される予定です。時間は午前9時から午後3時までです。イベントでは、いちかわのいちくわを使ったおでんなども楽しむことができるので、ぜひ足を運んでみてください。さらに、今後は冷凍品コーナーでの販売も計画されています。
最後に
「いちかわのいちくわ」は地域の魚を有効活用し、美味しさを提供するだけでなく、海の環境問題について考える機会にもなります。市川の新しい特産品として、ぜひ皆さんに味わっていただきたい一品です。