小型ドローンで進化する下水道点検
福井県福井市にて、下水道施設の点検技術を向上させるための小型ドローン「IBIS2」を活用した研修会が行われました。この研修は、株式会社Liberaware、福井県土木部、VFR株式会社が協力し、九頭竜川浄化センターで実施されたものです。現場でのドローン技術を活用することによって、効率的かつ安全な点検作業の実現を目指しています。
研修の概要
研修会の模様は、九頭竜川浄化センターでの実施であり、参加者が「IBIS2」のデモ飛行や実際の点検手法についての説明を受けるものでした。この施設は、福井市やあわら市、坂井市からの汚水を処理し、整備されてからすでに数十年が経過しています。
国土交通省からのデータ
国土交通省のデータによると、日本の下水道管路総延長は約50万kmにも及び、そのうち7%が耐用年数を超えています。今後10年後には約20%、20年後にはおよそ42%が老朽化が進むとされており、今回のような研修で下水道の維持管理体制を強化することは非常に重要です。
実施背景
老朽化した下水道インフラは、全国的な問題となっており、最近の八潮市での道路陥没事故も、この問題が引き金となっています。福井県では、「下水道基幹施設耐震化事業」などを通じて、下水道の保全や耐震化を推進しているものの、技術者不足や予算確保の課題も抱えています。
研修の成果
研修では、「IBIS2」を用いて、モデリングのデータを取得し、コンクリート壁面の状況や配管の状態を確認しました。実験を通じて、ドローンの運用方法を効率化し、より安全で確実な点検を行うための手順を確認しました。これにより、今後の点検業務において、デジタル管理の導入が期待されています。
今後の展望
本研修を経て、老朽化インフラの維持管理の重要性が再確認されました。また、「IBIS2」による点検手法が、多くの自治体や企業に認識されることが期待されています。この取り組みを通じて、持続可能なインフラの維持管理を目指すことが重要です。
研修に関与した企業
- - 福井県土木部:下水道に関する課題を提示。
- - VFR株式会社:現場での調査提案。
- - 株式会社Liberaware:ドローンの運用に関する支援。
会社紹介
福井県土木部
福井県福井市に拠点を構える、下水道事業に関する計画や施設の維持管理業務を行う。新技術導入やDX推進に関する施策を展開。
VFR株式会社
愛知県名古屋市に本社を置く無人機技術を手掛ける企業。各種ドローンやソフトウェアの企画・設計・販売を提供。
株式会社Liberaware
千葉県千葉市に本社を持ち、ドローンを用いたインフラ点検に特化した企業。安全社会の実現を目指し、画像データの解析サービスを展開。