シェア7割のニッチトップ企業、社長が語るM&Aの決断と未来のビジョン
M&Aを通じて拓かれる企業の未来
千葉県習志野市に位置する高木ゴム工業株式会社は、食品飲料プラント向けのゴムパッキンにおいて国内シェア70%を誇る企業です。この企業の3代目社長、松﨑隆一氏がM&Aを決断した背景には、社長自身の長期的な人生設計があります。45歳でM&Aを意識し、55歳をひとつの節目としてこの道を選びました。
社長の長期的なビジョン
松﨑社長は、30代の頃から「会社の未来」を意識していました。「今問題がなければ良いというわけではない。将来、50代や60代になった際に自社をどうするのか、常に考えていました。経営はプロに任せるべき」という考えから、親族承継を選択しませんでした。そして、M&Aに向けての準備を進めたのです。彼は、2024年11月に日本M&Aセンターの仲介を経て、大阪府の株式会社GWEに会社を譲渡しました。
GWEとの相互理解
譲渡先の株式会社GWEは、自動車向けのゴム製品を手掛けている企業で、2024年にはさらに半導体分野にも事業展開を図るプランを持っています。今回のM&Aによる相乗効果を期待しつつ、ライフライン事業への進出も視野に入れています。松﨑社長は、「GWEの毛利社長と意気投合したことが、スムーズな成約につながった」と述べています。
譲渡後の新たな挑戦
高木ゴム工業とGWEのM&Aから約6ヵ月が経過し、各社の工場を有効活用しながら業務効率の向上や受注の拡大が進められています。松﨑社長は、「経営に関する相談ができるパートナーができたことは、私にとって心強いことです。グループ全体としての可能性が広がっています」と手ごたえを感じています。
M&Aがもたらす新しい可能性
GWEは自社の成長戦略を実行するため、次のステップとしてライフライン事業への進出を掲げています。これにより、さらなる事業の多角化が期待されています。M&Aは、単なる企業の合併にとどまらず、両社の技術やノウハウを融合させることで、さまざまな新たなビジネスチャンスを生み出す手段となるのです。
まとめ
高木ゴム工業のM&Aは、企業の永続性を考える上で非常に重要な意味を持っています。松﨑社長のように、将来を見据えた経営判断を行うことは、多くの企業にとっても必要な視点となるでしょう。今後、新たに生まれる企業間のシナジーに注目が集まります。
トピックス（その他）
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。