途切れない学びの循環—対馬からネパールへの教材の旅
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトが2026年6月に実施したネパール・ルンビニ州ルパンデヒ郡での教育支援活動が、環境問題に対する意識を新たにしました。このプロジェクトでは、長崎県対馬市立対馬西部中学校の生徒たちが作成した海洋プラスチックに関する絵本meの教材が用いられました。
地域の課題を世界へ
今回の授業では、対馬に漂着する海ゴミや海洋プラスチックが私たちの暮らしや環境にどのように影響を与えるのかを、生徒たちが制作した絵本を用いて伝えました。特に、海洋プラスチック問題に目を向けた対馬西部中学校の生徒の取り組みが、遠く離れたネパールの教室で活用される意義は大きいです。
教材を運ぶのではなく、現地において実際に使い、その理解を深めることを重視したこの取り組み。なかよし学園は、単なる寄付物に終わらせず、現地の教育課題に対応した授業を展開する「世界とつながる学びプロジェクト」に取り組んでいます。これにより、地域課題に向き合う学びが、異なる環境にいる子どもたちへと広げられるのです。
環境問題を体感する授業
授業の中では、絵本を用いた説明に留まらず、Dolphin Papa合同会社が提供するリサイクル素材を使ったフライングディスクも紹介しました。この教材は、環境問題をただの知識として学ぶだけでなく、実際に手に取って体験できる点で非常に重要です。フライングディスクを通じて、ネパールの生徒たちは、海洋プラスチック問題が自分たちの暮らしとどのように結びつくかを考える機会を得ました。
参加した生徒たちにとって、海洋プラスチック問題は身近ではないかもしれませんが、リサイクル素材の遊びを通じて、環境問題が遠い国の問題ではなく、自分たちの未来に関わるものであると感じてもらったでしょう。環境教育の一環として、スポーツを通じて国際理解を深めることができたのです。
教材の実装と学びの循環
この取り組みは、授業を受けた生徒たちが学んだことを他の生徒や教職員に再現できることにも焦点を当てています。生徒は実際に教材を使いながら、海洋プラスチックの問題を他の、教員に説明する場面もあったようです。この「再現可能な学び」は、一方通行の支援を超え、生徒自身の理解が深化するだけでなく、学校全体に学びが広がる可能性を持っています。特に視覚的かつ体験的な教材は、文化や言語を超えて理解されやすく、教育の循環が生まれる要素となります。
教育支援の新たな形
日本の学校で作成された教材が、ネパールの教室で実活用される様子は、多くの意味を持ちます。教育支援は物を渡すのではなく、学びを引き起こすこと。それを実現させるための評価基準(KPI)を設け、教材の実装数や児童生徒への到達人数、教職員への影響などを計測することで、活動の成果を見える化しています。
今後の展望
なかよし学園は、今後もネパールでの教育支援活動を進めていきます。さらなる教材の活用や、教育現場との連携を強化し、日本全国の学校が創り出した学びを、現地の教育に繋げていく予定です。また、教材の反応や使用状況をフィードバックすることで、参加校の生徒たちにも“自分たちの学びが世界で活かされた”という体験を提供していきます。
結語
このような教育支援を通じて、対馬西部中学校の生徒たちが環境問題を考える活動が、世界の教育現場とつながります。それは地域の課題が国境を越えて共有されることで、未来に向けた意識を育てる大事なきっかけです。中村雄一代表は「私たちは、渡すだけでなく、実施し、反応を受け取ります。この学びの循環こそが、これからの教育実践に必要です」と強調しています。