大正生まれの人々を訪ねる新たなプロジェクト「大正の人」
2025年、最年少でも100歳を迎える大正生まれの方々の人生の物語を集めるプロジェクト「大正の人」が始動します。この取り組みは、7年前に出版された「明治の人」の流れを汲み、より多くの人々の生の声を未来へと伝えるために立ち上げられました。プロジェクトの代表である林さゆり氏は、彼女の祖母から受け継いだ教訓や言葉を大切にし、今回のプロジェクトを企画しました。
プロジェクトの原点:祖母の教え
林さゆり氏の祖母は、大正生まれよりも少し前の1920年代に生まれ、その口癖には「ありがたい」「もったいない」「人様のために」「自分を下に」といった一言がありました。これらは、祖母の生き様や価値観を色濃く映し出しており、林氏はこの体験から人生の大切な知恵を学びました。このようにして、彼女は2002年から2005年の間に明治生まれの人々に直接インタビューし、「明治の人」を出版しました。この本には、歴史的な事件を乗り越えた普通の人々の生の声が収められています。
新しい世代のための知恵
「大正の人」プロジェクトの目的は、超高齢化社会を迎えた日本において、高齢者の方々の貴重な知恵を記録し、現代の世代に希望を与えることです。人とのつながりが失われつつある今だからこそ、世代を超えたコミュニケーションが必要であり、若い世代や子どもたちに「家族の語り部」としての役割を果たすきっかけを提供します。特に、分断された家族をつなげるこのプロジェクトは、未来の日本にとって重要なメッセージを発信することができると信じています。
今、聴かなきゃ、もう聴けない
2025年に大正生まれの方々は最年少でも100歳になります。この貴重な声を直接聞けるのは、もはや時間が限られています。林氏は「今、聴かなきゃ、もう聴けない」という強い想いで全国を巡り、取材を行う予定です。彼女の目指すところは、ただの歴史資料の収集ではなく、心をつなぎ、家族の絆を再確認することです。
取材のお願い
このプロジェクトでは、大正生まれの方々への取材協力を募集しています。身近に大正生まれの方がいる方は、ぜひご連絡ください。その際、取材は丁寧に行い、満足していただけるよう努めます。
そして、未来のために
このプロジェクトは、ただのアイデアではなく、世代を超えた人々をつなげる実践的な活動です。「ひいおじいちゃんに話を聴きに行こう」「長い間会っていないおばあちゃんに連絡してみよう」といった行動が、新たな家族の絆を築くきっかけとなります。人々の命の声が絆を呼び戻し、社会全体を温かく包み込むことを願っています。
さらに、関連イベントとして毎年開催される「敬老の日 子ども作文&パネルコンテスト」にも触れたいと思います。このコンテストでは、「祖父母や曾祖父母の物語を子どもたちは意外と知らない」という事実に気づかされ、参加者は家族の最高齢者の人生について話を聞く機会が与えられています。これにより、次世代が家族のストーリーを伝える役割を果たすステップとなっています。次回の開催は2025年予定で、家族の物語を知る一歩として多くの方に参加していただきたいです。
終わりに
「大正の人」プロジェクトは、命の尊さと知恵を伝える重要な取り組みです。取材にご興味があるメディア関係者の方々も、大歓迎です。私たちと共に、この歴史的な瞬間を記録しましょう。家族の物語を未来へとつなげるために、ぜひご参加をお待ちしております。