CEATEC 2025に見る日本の新規事業創造の未来と可能性
2025年10月、幕張メッセで開催された「CEATEC 2025」は、次世代技術と新しいビジネスモデルの発信の場となりました。中でも目を引いたのは、事業創造カンパニーである01Boosterが共創パートナーとして参加した「ネクストジェネレーションパーク」です。このエリアには、若い企業や大学・研究機関が集まり、イノベーションを促進するための貴重な場となりました。
01Boosterとネクストジェネレーションパーク
01Boosterは、オープンイノベーションを通じて新しい事業を創出することを目的とした会社で、CEATECでは数多くのセッションやイベントを主催しました。特に印象的だったのは、10月17日に開催された『事業会社発 新規事業/スピンアウト ピッチコンテスト』です。このコンテストでは、日本を代表する企業のスピンアウトプロジェクトが披露され、多くの来場者の関心を集めました。
参加した企業には、本田技術研究所やNTTデータ、ローム、三菱地所などが含まれ、それぞれが独自のビジョンや技術、サービスをプレゼンテーション形式で発表しました。その中で最優秀賞に輝いたのは、ホンダ発のPathAheadが手掛けた「ライジングサンド」です。このプロジェクトは、砂漠の砂を利用した新しい道路舗装材料を開発し、耐久性を飛躍的に向上させるものでした。現地のインフラ課題を解決するアイデアが評価され、関係者からの注目を浴びました。
受賞プロジェクトの詳細
最優秀賞を受賞した「ライジングサンド」は、砂漠の砂を造粒し、道路舗装に使えるように開発されました。これにより、従来の舗装材と同等のコストで、耐久性を20年に延ばすことができるという特長があります。すでにケニアでの実証実験も進行中で、地元のゼネコンとの商談も行われていることから、ビジネスとしての可能性も大いに期待されています。
一方、「ディープテック賞」を受賞したロームの「NoMaDbot」は、地図や事前計画に頼らずに即興走行を実現する移動ロボット技術です。これにより、より柔軟な動作を可能にし、将来的にはハードウェア分野での大きな進化を目指しています。
さらに、DICの「RADilys」は、特殊染色液を用いて花を光らせる技術で、ブライダルやアートシーンに新たな価値を提供することが期待されています。
熱いセッションが続く
ピッチコンテスト以外にも、01Boosterが主催するさまざまなセッションが盛況を博しました。特に「社内起業家が語る!スピンオフ戦略とスタートアップ成長の可能性」や「IBM×NECが語る。なぜ新規事業に挑むのか?」など、多種多様なテーマで行われたセッションには、多くの関心が寄せられました。
特に好評を得たのは、東レが主催した【現代版“のれん分け”による“シン・繊維産業”創造への挑戦】というセッションです。新しい価値を創造するために挑戦を選ぶ姿勢が、聴講者たちの心に響きました。
今後の展開と01Boosterの使命
01Boosterは、「事業創造の力で世界を変える」という理念のもと、今後も新規事業の創出を支援し続ける姿勢を貫いていく方針です。このような大規模イベントに関わることで、多くの企業が新たなアイデアやビジョンを共有し、次世代のビジネスが加速することが期待されています。
CEATEC 2025の盛り上がりを通して、日本のイノベーションエコシステムが一層強化され、未来に向けた新たな挑戦が加速することを近い未来に実現することでしょう。