千葉発!さかなドリームが希少魚の養殖技術開発に挑む
千葉県館山市に本社を構える株式会社さかなドリームが、科学技術振興機構(JST)から支援を受け、希少魚の養殖技術の開発を進めています。このプロジェクトは、水揚げが困難な希少魚の安定供給を目指し、養殖業の新しい可能性を切り開くものです。
現在の日本の養殖業の背景
近年、世界的に見ても水産物の需要が増加していますが、日本の養殖業は停滞を余儀なくされています。海水温の上昇や、認知度の高い数種類の魚種に依存している現状が収益性を圧迫し、1980年代に比べ、国内の養殖魚生産量は約8割も減少しています。これにより、養殖業界は新たな魚種の開発が急務となっています。
さかなドリームの独自技術
さかなドリームは、東京海洋大学で開発された「代理親魚技法」を活用し、新たな養殖魚の開発に挑んでいます。この技術は、特定の魚種から生殖幹細胞を取り出し、近縁種の仔魚に移植することで、希少魚の繁殖を可能にします。これにより、従来必要だった親魚の捕獲を行わずとも、量産と安定供給を実現できます。
この技術を用いることで、手間と時間を削減しつつ、環境変化に対する強い魚や、食材としての価値が高い新たな魚種を生み出せる可能性があります。
開発支援の背景と展望
同社はJSTのA-STEPプログラムからの支援を受けており、開発期間は最長3年、最大で5億円の開発費が貸し付けられます。これにより、財政的な負担を軽減しながら、安定した開発を行うことができます。さかなドリームは、「世界一旨い魚を創り、届ける」という企業理念のもと、新しい養殖魚の供給を通じて、養殖業界全体の発展を図ります。
まとめ
さかなドリームの取り組みは、単なる養殖業の再建にとどまらず、希少魚の価値を高めることによって新たな市場を創出する可能性を秘めています。今後、彼らの努力がどのように結実していくのか、期待が高まります。千葉から発信されるこの革新に注目が集まっています。