千産千消の仕組みを活用した新しいエネルギー供給が千葉県で始動
千葉県内において、再生可能エネルギーを使用した新たな電力供給システムが始まります。株式会社JERAと東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は、これまでに基本合意書を交わし、地元のエネルギーを使用したオフサイト型コーポレートPPAの導入に本格的に踏み切ることとなりました。この新しい試みの背後には、地域の資源を最大限に活用し、持続可能な社会の構築を目指す強い意志があります。
これまでの記事やニュースでもたびたび取り上げられてきましたが、今回の取り組みは特に千葉県のペリエという地域密着型ビルに焦点を当てています。2025年8月1日から、ペリエ西千葉本館、海浜幕張西館、海浜幕張東館、さらにペリエ+plusビルの4つの施設において、『千産千消』を基にしたオフサイト型コーポレートPPAがスタートします。“千産千消”とは、地域で生産されたものをその地域で消費する考え方であり、千葉の地域資源の活用を促すスローガンでもあります。
このシステムは、JERAが持つ千葉県内に設置された4箇所の太陽光発電所(合計300kW)から発電された電力とその環境価値を、アグリゲーターのJERA Crossを通じて、JR東日本商事が販売します。これにより、千葉ステーションビルが運営するペリエ各施設では環境にやさしい再生可能な電力が使用されることになります。特に、発電所の愛称を『ペリエ太陽光発電所』とすることで、地域の親しみやすさと、エネルギーに対する地域コミットメントが強調されています。
導入内容の詳細
今回のオフサイト型コーポレートPPAの具体的な内容としては、以下のようなポイントがあります:
- - 供給開始日:2025年8月1日(予定)
- - 供給施設:ペリエ西千葉本館、ペリエ海浜幕張西館、ペリエ海浜幕張東館、ペリエ+plusビル
- - 太陽光発電所の概要:
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JERAソーラー館山4(ペリエ太陽光発電所) - 館山市那古、50kW
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JERAソーラー香取4(ペリエ太陽光発電所) - 香取市山之辺、50kW
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JERAソーラー香取8・9・10(ペリエ太陽光発電所) - 香取市八本、150kW
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JERAソーラー銚子24(ペリエ太陽光発電所) - 銚子市芦崎町、50kW
これらの発電所は地域の風景に溶け込みながら、地域で消費される電力量の増加に貢献します。電力の流れは、発電した電力が送配電網を介してペリエの各施設に届けられ、これにより地域のエネルギー自給率が向上することを期待されています。
持続可能な未来を目指して
JERAとJR東日本の両者は、それぞれの企業理念に基づき、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めています。JERAグループは「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、再生可能エネルギーを通じてCO2の排出を実質ゼロにすることを目指しています。一方、JR東日本グループも「ゼロカーボン・チャレンジ2050」を基に、全社でのCO2排出量の削減に取り組んでいます。
このように、エネルギー業界全体として再生可能エネルギーの導入が進んでいる中で、千葉県の新しい取り組みが先駆けとなり、他地域への波及効果も期待されています。地域に密着したこの試みが、持続可能な未来を切り開く一助となることを願っています。