世界とつながる学び
2025-11-17 11:01:33

対馬の生徒たちが世界とつながる学びを実践—未来の架け橋教材を海外へ

対馬市立東部中学校の挑戦



2023年12月から、対馬市立東部中学校の生徒たちの創作活動が海外で実施されることが決定しました。このプロジェクトは、特定非営利活動法人なかよし学園によって進められ、「世界とつながる学び」をテーマにしています。生徒たちは7月に行った導入講演で世界の現状を学び、その後に行われた総合的な学習を通じて「今、自分にできること」を探究してきました。

生徒の手による未来への架け橋



9月1日には、中間発表が行われ、トントン相撲やビニール袋の凧、習字作品などを制作。これらは「未来の架け橋教材(Future Bridge Learning Kit)」として、12月にはカンボジアへ、1月にはシリア、2月には南スーダンへと順次送られ、実際の海外教育現場で活用されることが予定されています。

「つくる→届ける→共創→還る→拡張」を目指すCoRe Loopモデルに基づき、学んだことを形にして届けることで、実際の国際交流のプロセスを体感しながら自己効力感を高めています。生徒たちは自身の学びが世界のどこかで実を結ぶことを想像しながら、質の高い教材を作り上げています。

世界の現状を知る意義



このプログラムでは、シリア、南スーダン、カンボジアといった地域で直面している教育・保健の課題についても取り上げられました。特にシリアは2011年から続く紛争によって、学校やインフラが大きく損壊しており、教育環境は劣悪です。南スーダンも内戦や自然災害によって教育の継続が困難な状況にあります。カンボジアでは、内戦からの回復途上で、農村部での教育格差が存在しています。このような現状を知ることで、生徒たちは「誰かの役に立つ学び」として自らの役割を再確認しました。

クリエイティブな教材を通じた国際交流



具体的な教材であるトントン相撲やビニール袋の凧、習字カードは、現地での文化紹介や学びの支援においても非常に有効です。これらの教材は、手に取りやすく、地域文化に根ざしたアプローチが可能なため、現地の子どもたちと一緒に遊び、学ぶ楽しさを共有できます。さまざまな教科の要素を取り入れたこれらの教材を介して、「つながる経験」が生徒たちの視野を広げているのです。

平和教育の一環として



また、なかよし学園は平和教育にも力を入れています。「はじめてのヒロシマ」と並行して進められる「Peace Batonプロジェクト」にも参加し、生徒たち自身が制作したイラストを採用した絵本『はじめてのナガサキ』を通じて被爆の記憶を伝える活動にも取り組んでいきます。このような活動は、単なる学びの枠を超えて、生徒たちの心に深く刻まれる経験となり、今後の国際的な視野を育む貴重な機会となります。

学校からの期待の声



対馬東部中学校の校長、平山善行氏は、「活動を通じて生徒たちの視野が広がることを期待しています」と語ります。また、教諭の竹末寿百氏も、「自分がアクションを起こせる点が新しく、生徒たちにとって大きく成長するきっかけになる」との期待を寄せています。

未来へのシナリオ



今後のスケジュールとしては、12月にカンボジア、1月にシリア、2月に南スーダンでの実装が予定されています。それぞれの国での交流を通じて、対馬から世界へと広がる「つながる学び」が、地域の誇りや国際的な理解を深めていくことになるでしょう。なかよし学園の代表、中村雄一氏は「日本の良さを世界の力に変えるために、共に平和の実現を目指していきましょう」と締めくくりました。


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