世界とつながる学びプロジェクトの活動
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトが主催する「世界とつながる学びプロジェクト」の活動報告会は、2026年2月20日(金)にオンラインで開催されました。この活動報告会は、教育業界関係者による全国の学校やフリースクールの実践事例を共有し、グローバル教育や探究学習の実践を促進することを目的としています。今回は第6回目の開催であり、特に山形県遊佐町立遊佐中学校の取り組みが取り上げられました。
遊佐中×カンボジア「なかよし文房具プロジェクト」
今回の報告会で登壇したのは、遊佐中学校の今野大輔先生です。彼は、なかよし学園の一員としてカンボジアでの活動に参加し、そこで実践された「なかよし文房具プロジェクト」の設計や実装、さらには教育的効果について詳しく説明しました。これは単なる文房具の寄付にとどまらず、学びを促す工夫を加えた取り組みです。
文房具を贈るという新しいアプローチ
このプロジェクトでは、遊佐中学校の生徒たちが集めた文房具を、ただ送り届けるのではなく、受け取る側に学ぶ意欲を与えるための工夫が施されました。具体的な内容は以下の通りです。
- - ノートの最初のページには手書きのメッセージを挿入
- - イラストや日本に関する情報を添えて、交流のきっかけを提供
- - 従来の「支援物資」を「未来をつなぐ教材」として再設計し、探究・総合学習の成果物を海外で実装する
PEACE NOTEによる国際交流
また、象徴的な取り組みとして交換ノート「PEACE NOTE」も導入されました。このノートは、左ページに遊佐中の生徒がメッセージを記入し、右ページにはカンボジアの子どもたちが返信する形で利用されます。この流れにより、アフリカや中東、アジアなど、様々な地域の子供たちとの交流が生まれ、学びの宝庫が増えます。このノートは学校の図書室に展示され、全校での学びの資源として活用されています。
「送りっぱなしではなく、現地からの反応を教室に“里帰り”させ、それが次の探究につながる循環を生み出します」という中野先生の言葉が印象的です。このプロジェクトは、単なる物資の提供だけでなく、その先にある交流や理解を深めるための仕組みを作り出すことが目的としています。
次のステップへ——地域の資源を活かす
今後、遊佐中学校は地域資源を学校と結びつけ、更なる国際交流のモデルを構築する計画を進めています。PCルームを地域の人々や地元企業に開放し、そこで制作された教材や商品を世界へ届けるという取り組みです。今野先生は、このプロジェクトを推進しながら地域の振興にも関わっています。教育を起点に地域と世界をつなげるモデルを設計し、地域で生まれた価値を世界に届け、その反応を地域にフィードバックする仕組みを強化していく予定です。
今野先生の思い
今野先生は、文房具プロジェクトでの体験から「学びたくなる仕掛け」を設けることの重要性を強調します。「ただ受け取るだけでなく、ノートに書き込まれたメッセージや絵から受けるインスピレーションが、カンボジアの子どもたちにとっての希望の一部になることを願っています。返ってきたPEACE NOTEに触れ、戦争の影響を受けた子どもたちの思いに触れることが、自分の学びの意味を再確認させてくれました」と話します。
結語
このように地域と国際的な視点をもって展開される「世界とつながる学びプロジェクト」は、教育が持つ可能性を示す良い例と言えるでしょう。子どもたちが自らの行動を通して学びを深め、平和を築く力を育んでいくことが期待されます。今後もこのプロジェクトが地域と世界をつなぐ重要な架け橋となることを願っています。