「日本さばける塾 in いちかわ」レポート
日本財団が主催する「海と日本プロジェクト」の一環として、2月28日(土)に千葉県市川市で開催された「日本さばける塾 in いちかわ」。参加者は、漁師との交流を通じて東京湾の恵みを学び、その味を体験しました。
海を知る体験
朝の9時、市川漁港に集まった17名の参加者は、漁師の案内で東京湾へと出航しました。多くの漁港が存在する中で、今や4軒に限られた海苔養殖の現場を間近に見ることができました。海苔網に触れ、東京湾の地形や海水温の影響、クロダイによる食害、さらに後継者不足といった現状や課題について詳しく学びました。
この経験を通じて、参加者は「獲る」という営みの重さを身をもって体感し、東京湾の持つ豊かさと同時に、その課題についても考える機会を得たのです。実際に海苔摘みや底引き網漁の様子を見学し、貝の選別作業を行った参加者からは「アサリやハマグリの姿は見られず、ホンビノス貝だけになっていることに驚いた」という声もありました。
さばく体験の意義
海を知った後は、市川公民館に移り、いよいよクロダイのさばき体験が始まりました。参加者は一人一尾のクロダイと向き合い、包丁の入れ方に最初は躊躇しながらも、次第に自信を持って三枚おろしに挑戦。骨の位置や身の厚みを確認しながら、慎重に作業を進めていきました。
こうしてさばいた魚は、貝出汁のつみれやなめろう、刺身に加工され、参加者たちは料理を通じて魚との新たな関わりを持つことができました。「魚をさばくことで、単純に料理をする以上の経験を得た」と参加者が語ったように、この体験は参加者の海への理解を深める時間となったのです。
海と未来を考えるディスカッション
調理を終えた後は、参加者同士が今日の経験を振り返り、東京湾や海の未来について語り合うディスカッションが行われました。地元のローカルなお店で完成した料理を囲みながら、乾杯をし、海の恵みについて深く考える時間に。
参加者の中には、普段から海に関わる仕事をしている方もおり、彼らはこのイベントを通じてそれぞれの考えをさらに深めることができたといいます。「もっと多くの魚をさばいてみたい」「クロダイの生態について知りたい」といった意欲的な声も上がりました。
体験を日常へと繋げる取り組み
さらに、この体験から得た学びを日常に生かす取り組みとして、2026年3月から市川の飲食店で「海ご飯で0次会」を開催する予定です。市川の海に関わる人々をゲストに迎え、海の話を聞きながら料理を楽しむ食事会シリーズで、参加者は新たな知見を得る機会を持つことができます。
海の恵みを学ぶ「日本さばける塾 in いちかわ」は、市川市の海とその未来について、参加者と共に深く考える特別な一日となりました。この体験を通じて、海に関わる人々がより一層つながり、持続可能な未来を考えるきっかけが生まれることを期待せずにはいられません。