神戸市での下水道管調査に新技術「IBIS2」を活用した成功事例
神戸市内で行われた下水道管調査に、株式会社Liberawareが開発した空中ドローン「IBIS2」が使用され、約600mに及ぶ点検が無事に完了しました。この試みは、特に老朽化が進むインフラの点検方法として注目を集めています。
調査の背景と必要性
国土交通省のデータによると、日本全国の下水道管渠の全長は約50万kmにも達しており、その中でも標準耐用年数を超えた管渠は約4万kmに上ります。この数字は、今後20年以内に42%に増加する見込みです。特に埼玉県では下水道管の破損による道路陥没事故も発生しており、老朽化したインフラの点検が急務となっています。
神戸市は、過去から下水道管の点検作業を行ってきましたが、目視やカメラによる調査では対応しきれない箇所が多く存在していました。そこで、空中ドローンを活用することで、これらの課題を克服することを目指したのです。
調査の実施内容
今回の下水道管調査では、口径1,800mm、水位約50㎝の汚水管内に「IBIS2」を投入し、作業員が入れない環境でもドローンが飛行可能な新しい手法が採用されました。ドローンは、降雨の影響を受けながらも、約1日で600m(6スパン)の撮影を成功させ、貴重なデータが収集されました。この調査を通じて、従来手法の利点を取り入れつつ、新しい異常判定モデルを構築する予定です。
協力体制の重要性
神戸市が発注者となり、大幸道路管理が協力業者として点検プロセスを構築しました。Liberawareは請負者としてドローンを開発し、オペレーション支援も行いました。このように、各組織の役割分担が明確であることが、成功の鍵となっています。
未来の展望
下水道インフラの点検において、ドローンの活用は今後ますます重要になってくると予想されます。「IBIS2」を使用した調査結果は、神戸市に提出される予定で、今後のインフラ点検基準の策定にも寄与する見込みです。国土強靭化という観点からも、IBISの標準化は特に重要な役割を果たすと考えられています。
また、今後の調査を通じて、現場での運用フローや点検の精度を高め、ドローン技術の進化を促進していくことが期待されています。この流れは、全国的なインフラ点検市場においても標準機材となり、広く採用される日が来ると信じています。
まとめ
株式会社Liberawareは、今後もこの流れを成長機会と捉え、ドローン技術の革新を進めると共に、自治体との協力を強化し、持続可能な社会の実現を目指していきます。私たちの取り組みが、安全で平和な未来へとつながることを願っています。