岡山大学、地域の研究を支えるヘリウム回収に着手
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区)は、地域中核・特色ある研究大学の一環として、最近「中四国・播磨ヘリウムリサイクルネットワーク」(以下、HeReNet)事業の第一段階としてMRI装置からのヘリウムガス回収を開始しました。この取り組みは、岡山大学の学内に設置されたMRI装置にガス回収ラインがなく、従来はヘリウムの無駄遣いが懸念されていたため、環境負荷軽減の一環として行われています。
ヘリウム回収の新システム
新たに導入されたのは、ヘリウムガスを効率的に回収できる「回収ガスバッグ集合配管ユニット」です。このユニットは、ガスバッグを10個接続し、各バッグへの同時回収を可能にしました。これにより、MRI装置の液体ヘリウム補充時に発生する大量のヘリウムガスを容易に回収できるようになったのです。
2026年5月28日から29日にかけて行われた作業では、MRI装置とこの新システムの接続作業が行われました。約24時間の間に、MRI装置からヘリウムガスをガスバッグに貯蔵し、29日には回収用圧縮機の試運転も実施されました。
今後の事業計画としては、フェーズ1の回収を経て、フェーズ2では部分供給、フェーズ3ではほぼ全量のヘリウム供給を目指す予定です。
地域への貢献と未来へのビジョン
岡山大学の上田真史教授は「この取り組みにより、限られた天然資源である液体ヘリウムのリサイクルと安定供給体制が構築されることは嬉しい」と語り、地域の研究機関や企業との連携強化を目指しています。
また、HeReNetとともに、次世代のヘリウムユーザーを育成するための「HeliSET」プログラムも進めており、これらの活動を総称して「“He3”プロジェクト」と名付けています。
地域と連携し、より多くの大学や研究機関に液体ヘリウムを供給することで、研究活動の裾野を広げることが岡山大学の目指す方向性です。現在ヘリウムは100%海外からの輸入に依存しており、この新事業は経済安全保障の観点からも注目されています。
これからの期待
岡山大学の取り組みは、地域の研究力の向上やイノベーション創出、さらには国内の経済安全保障についても重要な役割を果たすと期待されています。このような新しい動きが、岡山大学を中心に、地域の研究界隈をより強固にし、持続可能な社会の構築へと繋がることを願っています。
岡山大学は、進化し続ける地域中核・特色ある研究大学として、今後の展開に注目です。