流山の講演会で考えた平和の重要性
2025年12月16日、千葉県流山市のスターツおおたかの森ホールにて、「世界の現状から『平和を考える』」というテーマで講演会が開催されました。約400名の市民や教職員、中高生などが集まり、流山市長も出席するなど盛況に行われました。本イベントは、特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトの主催で、国際的な教育活動の重要性と人権問題に対する関心を呼び起こしました。
難民キャンプからのメッセージ
この講演会では、なかよし学園がこれまで行った南スーダンの難民キャンプや、コンゴ民主共和国の少年兵更生施設、ルワンダ、シリアといった紛争地域での教育支援の様子が紹介されました。特に、教科書や机もない過酷な環境下で学ぶ子どもたちの姿に、参加者たちは深い感銘を受け、「当たり前の学校があることの重みを痛感しました」との声が上がりました。
主催者の中村雄一氏は、平和や人権について「遠い国の問題」として捉えるのではなく、日常の学校や地域コミュニティの関係性と結びつけて説明しました。「遠くの戦争と、身近ないじめや差別は一本の線でつながっている」とのメッセージは、参加者にとって心に響くものとなったことでしょう。
市民ディスカッションの意義
後半のディスカッションタイムでは、参加者がそれぞれの意見を自由に交換し、具体的な社会課題について考える貴重な機会が設けられました。「大規模災害時の避難所をどう設計するのか」「無力感を感じながら市民として何ができるか」「子どもたちに未来を共にする仲間がいることを伝えたい」といった思いが語られました。
中村氏はこれに応え、「大事なのは“正解”ではなく、問いを持ち続けて動き続けること」と語りました。参加者たちは、これらの言葉を通じて、自らが人権と平和の一翼を担う存在であることを再認識しました。
全国展開するなかよし学園
なかよし学園は、流山市での講演に続き、12月6日に岐阜県養老町、12月13日には東京の湯島天神で、様々なテーマで講演活動を行いました。これらの講演では、日本の文化や教育を再評価しつつ、国際的な子どもたちの学びに結びつける取り組みが紹介されました。
「願う平和から、行動する平和へ」というスローガンのもと、なかよし学園は様々な地域の人々とともに人権や平和を考える機会を作り出しています。
次のステップへ
流山での講演会で寄せられた多くの意見や質問をもとに、今後のプログラムやフィールドワークに活かす予定です。また、地域との連携を深め、全国で「往還型の人権・平和教育」を広めていくことも視野に入れています。
中村氏は「平和づくりはすでにここから始まっている」と述べ、今後も市民の皆さんとともに関心を持ち続け、「小さな行動から始まる」平和の実現を目指していくことを誓いました。最終的には、「自分にも誰かを幸せにする力がある」と実感できるような学びを届けていくつもりです。
このように、流山での講演会は単なるスピーチに留まらず、参加者一人ひとりが自らの生活や社会における人権や平和について考えるきっかけを提供する場となりました。この取り組みが今後も多くの地域に広がり、より多くの人々が平和について考え、行動するようになることを期待しています。