水泳用データ測定デバイス「eoSwimBETTER」
2022年6月にオーストラリアで販売が開始された水泳用データ測定デバイス「eoSwimBETTER」。本デバイスの開発企業は、ユーザーのために継続的な機能改善と定期的なアップデートを行っており、近年の進化を追求しています。
特に注目を集めているのが、スイスの専門機関「多分野デジタル出版機構(MDPI)」によって発表された査読付き研究です。この研究において、eoSwimBETTERの信頼性と実用性が高く評価されました。本記事では、この研究結果を詳細に解説し、eoSwimBETTERの使用が水泳選手に与える影響を考察します。
研究の目的と方法
本研究の目的は、eoSwimBETTERが50mおよび200m自由形における力学的なデータ(キネティック変数)と動作に関するデータ(キネマティック変数)を正確に測定する能力を検証することでした。10名の競泳選手(男性7名、女性3名)が参加し、異なる日程で50m全力泳を3回行い、最後のセッションでは200m自由形も実施しました。
測定項目には、力の強さやストローク頻度、泳ぎの各局面(グライド、プル、リカバリー)の時間配分が含まれています。これにより、デバイスがどれだけ正確にデータを取得できるかを評価しました。
主な研究結果
1. 信頼性
研究の結果、3回の測定において数値が非常に安定していることが確認されました。キネティック変数とキネマティック変数の両方において高い信頼性が示され、選手たちが実際のトレーニング環境で利用できる信頼あるツールであることが裏付けられました。
2. 妥当性
ストローク頻度の測定に関しては、NK Sports®のストップウォッチと比較した結果、統計的に有意義な差が見られず、デバイスの測定精度が高いことが証明されました。これにより、選手たちにとって価値のある情報を提供できることが期待されます。
3. 感度
また、50m泳と200m泳の平均力の検出には8.75%の差がありました。ただし、統計的な有意差は見られませんでしたが、中程度の効果量が示され、異なる運動強度の違いを捉える能力が確認されました。
実用的な意義
eoSwimBETTERは、選手にリアルタイムでのフィードバックを提供し、練習中にすぐにデータを確認することができます。非侵襲的な設計により、泳ぎの動作を妨げず、選手個々の技術の弱点を見つけ出しやすくなります。また、疲労のモニタリングを通じて、選手のパフォーマンスを維持できるようサポートします。
研究の限界と今後の課題
ただし、今回の研究にはいくつかの制約がありました。例えば、サンプル数が10名と少なく、さらなる検証が必要です。また、自由形以外の泳法での有効性については未確認であり、今後の研究が求められています。他の測定機器との比較も必要です。
まとめ
eoSwimBETTERは、トレーニング環境において技術的なパフォーマンスをモニタリングするための非常に有用かつ将来性のあるツールであるとされています。選手の能力を高め、パフォーマンスの向上につながる可能性を秘めています。今後、さらなる研究が進んでいくことが期待されます。
購入方法
このデバイスはeoSwimBETTERの日本語サイトやSWANSの公式ウェブサイトから購入可能です。詳細情報やサービスについてのお問い合わせは、eoカスタマーサービスまでご連絡ください。