エーザイが進める組織風土改革の実態
エーザイ株式会社は、日本を代表する製薬会社としての地位を確立しつつ、組織風土の変革にも力を入れています。一般社団法人プロティアン・キャリア協会の支援を受け、同社は「まずやってみる」という文化を実現するための取り組みを行っています。今回は、その実際の成功事例についてお伝えします。
エーザイの取り組み
エーザイの組織風土改革は、従来の堅い社風からの脱却を目指しています。重点的に取り組んだのは、社員同士のコミュニケーション促進と、挑戦する文化の構築です。そのための代表的な施策が「Eisai Casual Connect」の実施です。この施策は、役員も参加するカジュアルな対話の場として設計されており、実際に430名の社員が参加しました。こうした取り組みにより、上下関係を越えたフラットなコミュニケーションが生まれました。
ラフな対話での壁の低減
「Eisai Casual Connect」での料理配信など、あえてラフな形式の対話が行われることで、役員と社員の距離が縮まりました。社員が積極的に意見を交わしやすい環境が整いつつあり、双方向のコミュニケーションが活性化しています。
「まずやってみる」文化の浸透
また、エーザイは完璧主義的な人事施策からの脱却を図り、迅速に他社の成功事例を取り入れる「真似る(TTP)」姿勢を奨励しています。このアプローチにより、社員が自らのアイデアを出しやすくなり、ボトムアップ型の変革が進んでいます。実験的な企画を繰り返し実施することで、挑戦することが奨励される文化が徐々に根付いてきました。
人的資本経営の実績
人的資本経営により、エーザイは採用ブランディングにも成功を収めています。特に、統合報告書におけるネガティブ要素の開示を行ったことで、役員候補者が興味を持ち、入社の決断に至ったとのエピソードもあります。また、人事戦略の社内認知度は70%を超え、開示がもたらす実利面でのインパクトが証明されています。
動画コンテンツの公開
さらに、彼らの取り組みの詳細については、プロティアン・キャリア協会のYouTube公式チャンネルで視聴可能です。組織風土改革のプロセスや、人との関係性の変革について深堀りされています。特に『Human Capital Report 2025』においては、人的資本経営の実践に対するエーザイの哲学や姿勢が紹介されています。
こちらからご覧いただけます。
未来の人材開発に向けたセミナー
また、プロティアン・キャリア協会ではエーザイの成功事例を基に、組織風土を変えるための質の高い対話モデルに関するセミナーを開催します。これにより、企業が抱える課題への具体的な改善策を提供し、人が辞めない組織作りをサポートしていきます。
【日時】2025年12月16日(火)17:00‐18:00
【詳細・申込】
こちらからどうぞ。
最後に
エーザイ株式会社の取り組みは、単なる人材の「資源」ではなく、「資本」としての人的資本を重視した事例として、他企業にとっても非常に示唆に富む内容です。今後もエーザイがどのように組織文化を進化させていくのか、そしてそれが企業価値とどのように結びついていくのか、注目です。プロティアン・キャリア協会としても、エーザイの成功モデルを広く社会に発信していく所存です。