ネパールから特定技能ドライバーの採用が進む
近年、日本ではドライバー不足が深刻化しています。その解決に向けて注目を集めているのが、ネパール国籍の特定技能ドライバーの採用です。株式会社あおい運輸は、10月14日にネパールの首都カトマンズでドライバーの面接を実施しました。この面接は、ドライバー専門の人材会社である株式会社アズスタッフと、ネパールの人材紹介機関であるKizuna H.R. Solutions Pvt.Ltdが協力して行いました。
株式会社あおい運輸の矢﨑翔太専務取締役は、今年8月に続き今回は2回目の面接を実施。参加者は日本語能力試験と技能評価試験に合格したネパール出身の候補者4名で、20代から30代の若い世代が集まりました。彼らは日本での勤務を強く希望しており、自らのスキルを生かして活躍する意欲を示しています。
面接の流れと運転試験
面接は対面式で行われ、候補者の過去の運転経験や日本で働く目的などをヒアリング。候補者からの質問に答える形式で、双方の条件やニーズのすり合わせも行われました。特に、運転適性を確認するための運転試験も実施され、面接官が同乗して運転技術をチェックしました。この運転試験はネパールの教習所で実施し、マイクロバスを使って行われました。運転スキルを身近で観察することで、運転の課題や改善点が明らかになったとのことです。
多くの企業が特定技能外国人を受け入れる中、ドライバーの質の確保は不可欠です。矢﨑専務は「ネパールの方は非常に働く意欲が高い。当社でも努力して、彼らに日本の運転文化やルールを適応してもらうことが重要」と語ります。特に、ネパールは日本と同じ左側通行、右ハンドルであるため、交通教育がしやすい点も魅力です。
日本式交通教育の導入
アズスタッフのサポートにより、ネパールでは日本式の交通教育が導入されています。教習指導員の国家資格を持つ元自動車教習員が現地で教え、40時間の学科教習と40時間の実技教習を行います。これにより、入国前に日本の免許取得に相当する学習が可能です。
このような取り組みは、ネパールの国民性とも相まってドライバー職に適した人材を育成することが期待されています。特に、ネパールは他国に比べて日本での勤務希望者が多く集まりやすい環境です。アズスタッフの谷口愛斗社長室長は「日本のドライバー不足は今後も加速するため、外国人ドライバーの質を確保することがカギ」とコメントしています。
働く意欲と家族への思い
今回、面接に参加したBAJRACHARYA SUNDAR(バジュラチャルヤ・スンダル)さんは、自身の家族を支えるために日本で働きたいと強く思っています。彼は「妹が日本で働いていて、自分も早く日本に行き家族を支えたい」と語りました。彼のような若者が日本で新たな生活とキャリアを築くことが期待されます。
このように、ネパールからの特定技能ドライバーの採用は、企業と候補者双方にとって新たな可能性を秘めています。今後の動向にぜひ注目したいところです。