自動運転トラックと貨物鉄道の「モーダルコンビネーション」実証成功
2025年7月29日、ライオン株式会社とそのパートナー企業が自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた「モーダルコンビネーション」によるライオン製品の輸送を実証しました。この取り組みは地球環境問題への対応や物流業界の労働力不足を解消するために、持続可能な物流の実現を目指しています。
「モーダルコンビネーション」とは
「モーダルコンビネーション」という言葉は、異なる輸送手段を組み合わせることで、効率的かつ環境に優しい物流モデルを構築することを意味します。このプロジェクトでは、日本貨物鉄道や日本通運、株式会社T2と共同で実施されています。自動運転トラックと貨物鉄道のシナジーを活用することで、柔軟な輸送力の増加を可能にし、最終的には物流の革新を目指しています。
実証の目的とプロセス
ライオンは、持続的な日用品供給を確保するため、物流網の多様化と先進技術の導入に取り組んでいます。今回の実証では、千葉工場から福岡流通センターまでの長距離輸送を実施しました。この輸送では、JR貨物とT2が共同開発した31フィート共用コンテナを使用し、輸送品質やオペレーション、そして環境負荷を検証しました。
輸送の流れは次の通りです:
1.
ライオン千葉工場から東京貨物ターミナル駅:日本通運による一般トラックで輸送。
2.
東京貨物ターミナル駅から百済貨物ターミナル駅:T2のレベル2自動運転トラックによる高速道路での輸送。
3.
百済貨物ターミナル駅から福岡貨物ターミナル駅:JR貨物の貨物列車による輸送。
4.
福岡貨物ターミナル駅からライオン福岡流通センター:日本通運での配達。
実証の詳細
この実証は2025年7月29日から31日の間に実施され、関東から九州への一貫したオペレーションが行われました。特筆すべきは、T2の自動運転トラックが計410キロを走行し、百済貨物ターミナル駅での積み替え作業がスムーズに進行したことです。荷物には何の影響もなく、全体の運行日数は約1.8日という結果が得られました。
今後の展望
ライオンとそのパートナー企業は、今後さらに進化したレベル4の自動運転トラックを活用した「モーダルコンビネーション」の実施を計画しています。この取り組みは、BCP(事業継続計画)への対応強化とともに、物流業界の発展にも寄与することが期待されています。持続可能な社会の実現に向けて、今後も注目されるプロジェクトです。
参加企業とその役割
- - ライオン:製品輸送の実証および品質検証。
- - 日本通運:集荷・配達の担当。
- - JR貨物:貨物鉄道区間での輸送。
- - T2:自動運転輸送のオペレーションを担当。
この取り組みは、未来の物流の形を指し示す重要なステップとなるでしょう。より効率的で環境に配慮した輸送手段が広がることに期待が寄せられています。