千葉の企業が進める次世代下水道点検技術の革新への挑戦
千葉県に本社を置く株式会社Liberawareと、東京都港区のCalTa株式会社が共同で提案したプロジェクトが、国土交通省の令和7年度の応用研究テーマ「下水道におけるデータやデジタル技術の活用に資する技術」に採択されました。このプロジェクトは、下水道の維持管理における課題を解決するための新たなデジタルツインと小型ドローンを活用した点検ソリューションの開発を目指しています。
研究の背景と目的
下水道は長年使用されるため、老朽化が進むことで様々な管理課題が発生します。特に、点検対象の多くが狭く、暗い場所にあるため、従来の手法では進入が困難でした。また、有毒ガスの存在などによって、作業員の健康リスクも高まるという問題も抱えています。点検時には異常箇所のスポット記録しか行えず、網羅的なデータ収集も難しいというのが実情です。
このような課題を背景に、LiberawareとCalTaは、デジタルツイン技術と小型ドローンの融合による新しい点検方法を開発することに取り組んでいます。これにより、危険な環境への立ち入りを避けながら、具体的なデータを得ることを目的としています。
プロジェクトの内容
本プロジェクトでは、次のような具体的な成果を目指しています:
1.
安全で効率的な点検手法の確立
有毒ガスが多く発生する下水道の中に入ることなく、小型ドローンを使用して点検を行うことで、作業員の安全を確保します。
2.
高精度な位置推定技術の活用
非GPS環境下でも高精度に位置の特定が可能な自己位置推定技術を用いることにより、点検結果の信頼性を高めるとともに、プロジェクトの質を向上させます。
3.
デジタルツインの構築
取得した三次元データやセンサ情報などをデジタルツイン空間内で一元的に管理し、容易にデータの比較・分析ができる仕組みを構築します。これにより、計画的な維持管理も支援します。
公募概要
本プロジェクトは、国土交通省の令和7年度応用研究として採択されており、契約締結日から2026年3月16日までの履行を予定しています。委託予定額は最大で2,680万円です。
企業の紹介
株式会社Liberaware
Liberawareは、危険な環境での点検に特化した小型ドローンの開発を行っています。事業内容としては、ドローンを用いた調査・点検、データ解析などがあり、「見えないリスクを可視化する」をビジョンに掲げています。
所在地: 千葉県千葉市中央区中央3-3-1
URL:
Liberaware公式サイト
CalTa株式会社
CalTaはデジタル化事業及び現地映像取得事業を展開し、最新技術を駆使して多様なニーズに応えています。
所在地: 東京都港区高輪二丁目 18-10
URL:
CalTa公式サイト
結論
本プロジェクトは、革新的な技術を用いることで安全かつ効率的な下水道点検が可能になることを期待されています。今後の進展に注目が集まる中、LiberawareとCalTaはその成果を通じて社会に貢献していくことでしょう。