AIで効率化事業
2025-03-27 13:38:23

日立と住友化学がAIによるエネルギー効率化を推進!袖ケ浦での実証実験開始

日立と住友化学がAIを活用したエネルギー効率化を実現



日立製作所と住友化学は、千葉県袖ケ浦市にある住友化学の工場において、AIによるエネルギー消費の最適化に向けた新しい生産計画の自動立案システムの実証実験を開始しました。このシステムは、2025年3月から実工場での検証が行われ、エネルギー消費を削減しつつ生産効率の向上を目指しています。

AIを活用した生産計画の自動立案



この新しいシステムは、日立が開発した「TSPlanner(ティーエスプランナー)」を基盤にしています。「TSPlanner」は、様々な制約条件を考慮して生産計画を自動で立案するもので、エネルギー消費の効率化を支援するシステムと連携することによって、エネルギー効率を考慮した生産計画の自動立案を実現します。これにより、熟練者が行っていた複雑な生産計画を迅速に実行することが可能になるのです。

たとえば、生産計画が契約電力の上限を超えないように調整したり、化学反応過程で発生する高温の廃熱を回収し、他のプロセスに活用する方法が提案されています。これにより、エネルギーの消費量を抑えつつ、高品質な製品を安定的に供給することを目指します。

過去のデータからの効果的な提案



事前検証を通じて、住友化学の千葉工場ではエネルギー消費量を一定程度削減できる効果が確認されました。この成功を踏まえ、今後は住友化学の全国各地にある6つの工場でも同様のシステムの導入を検討していく予定です。こうした取り組みにより、製造現場のフロントラインワーカーの負担を軽減し、持続可能な社会の実現に向けた一助としていくつもりです。

カーボンニュートラルへの取り組み



地球温暖化の進行も含め、企業においてカーボンニュートラルへの取り組みは急務となっています。エネルギー価格の高騰も相まって、効率的なエネルギーの利用が一層重要視されています。さらに、国内では生産年齢人口の低下や社会課題が増加しているため、製造業界での負荷軽減が求められています。

化学産業は多大なエネルギーを消費するため、その管理と生産計画の立案がこれまで以上に難しくなってきています。千葉工場では、生産とエネルギー管理の部門が異なるため、生産計画の立案が難しいという課題がありました。日立の提供するソリューションは、こうした課題を克服し、持続的な生産とエネルギー効率の向上を目指すものです。

未来の工場運営を見据えて



本システム導入により、日立は生産計画とエネルギーマネジメントの統合を実現し、工場全体のデジタル化や環境負荷の軽減を推進します。この取り組みは、ただ生産計画を最適化するだけでなく、需要予測や在庫管理といった他の要素とも連携して、迅速かつ最適な意思決定を可能にします。

日立製作所は、社会イノベーション事業を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献し、持続可能な製造業の未来を切り開くための重要なステップを踏んでいます。これからの取り組みが、どのように地域社会や環境に貢献していくのか、注目が集まります。


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