ファミリーマートが挑む食品ロス削減
ファミリーマートが2025年3月11日から新しい取り組みを始めます。それは、消費期限が迫ったおむすびや弁当など中食商品に値下げシールを貼ることですが、特筆すべきはそのデザインが「涙目シール」という名前に変わるところです。このシールは、ただの値下げを告げるものではなく、消費者の心に訴えるメッセージが添えられています。例えば、「たすけてください」という文言は、捨てられてしまう食材の心情を表現しています。これによって、消費者は購入時に該当商品について考え直す機会を得ることができるのです。
新しいシールのデザイン
「涙目シール」は、イラストやメッセージがより大きく、わかりやすく表示されるよう工夫されています。実証実験の結果として、消費者から「思わず手に取れるデザイン」といった好意的な反応もありました。これを受けて、ファミリーマートではデザインを見直し、全国展開に向けた準備を進めています。
実験では、食品ロス削減に向けて賛同しやすくなる効果が期待されており、各店舗で年間約3000トンの食品ロス削減につながる見込みです。
消費期限の延長
さらに注目が集まるのは、消費期限の延長です。ファミリーマートではおむすび、弁当など約70品目に対して、2025年3月4日発売分から消費期限を2時間延ばすことに成功しました。これにより消費者の購入機会を増やし、食品ロスのさらなる削減を目指します。
この取り組みは、製造工程の見直しによって実現されており、お米本来の美味しさを最大限に引き出す工夫がなされています。
食品ロス削減への取り組み
ファミリーマートは「ファミマecoビジョン2050」を掲げ、食品ロスの削減に積極的に取り組んでいます。過去には、商品包装の改善や、発注精度の向上、さらには「てまえどり」の実施などを通じて、すでに食品ロスを削減してきました。2021年には、消費期限の迫った商品に対し、値下げシールを貼る「ファミマのエコ割」を導入し、前年比での食品ロスを28.9%削減するという好結果を残しました。
未来へ向けてのビジョン
ファミリーマートの目標は、2030年までに食品ロスを50%削減、2050年には80%削減することです。それに向けて、今後も新たな取り組みを通じて食品ロス削減にチャレンジし続けていくと言います。
ファミリーマートの「涙目シール」がどのように消費者に支持され、食品ロス削減につながっていくのか、全国展開が始まる3月の動向にぜひ注目していただきたいと思います。