岡山大学が地域共創プロジェクトを立ち上げ
岡山大学が新見市で、伝統工芸の神代和紙の原材料を高めるための地域共創プロジェクトを開始しました。この取り組みは、国立大学法人岡山大学が推進する「おかやまシネコカルチャー(協生農法)プロジェクト」の一環で、耕作放棄地の再生と自然と共にある地域づくりを目指しています。
プロジェクトの目的と背景
近年、神代和紙の原材料、特に楮(こうぞ)や三椏(みつまた)、トロロアオイの生産が途絶えており、地域の貴重な資源が失われつつあります。このため、岡山大学は地域文化と生態系の再生を目指し、これら植物を協生農法のもとで再び育てることを決定しました。このプロジェクトを通じて、地域に根付いた持続可能な農業の実現を目指します。
2025年10月12日に行われた「シネコカルチャープロジェクト in 新見」では、岡山大学の学生や地域の関係者、さらには幼稚園児や小学生たちが参加。様々な世代が協力し合い、より良い地域作りを目指す様子が見られました。
イベントの様子
当日は、まず神代和紙の振興を務める「こうじろ和紙屋」の土屋俊介氏が、和紙原料の特性や協生農法の基本理念についての説明を行いました。その後、参加者たちは地元の土地を活用するための作業を実施。草刈りや畝作りなどの整備が行われ、実際に楮の苗も植えられました。
この日は、日差しの良い条件で、元は菊の畑として使われていた土地が生まれ変わり、学生たちが新しいプロジェクトに携わる重要な第一歩となったといえるでしょう。また、土壌の健康や生態系の多様性を保ちながら、さまざまな plant が共生する持続可能な環境を目指しています。
学びの場としての意義
このプロジェクトは、地域に根づいた持続可能な農業実践の第一歩であると共に、学生や幼い子どもたちにとって自然や地域の伝統文化を体験的に学ぶ貴重な機会です。参加者の熱心な姿は地元メディアにも取り上げられ、地域社会における大きな注目を集めました。
今後の展望
今後、岡山大学は和紙原料の栽培に利用し、楮、三椏、トロロアオイが持つ可能性を最大限に引き出すために、和紙のブランディングや先進的な技術の導入も視野に入れています。環境とテクノロジーの融合を図り、新たな地域共創の形を模索していく方針です。
このように、岡山大学は地域と協力しながら、持続可能な農業と地域文化の再生を目指して活動を進めていきます。今後も岡山大学の新たな試みに期待が寄せられます。