岡山大学が先進的なPET診断薬を開発
2025年、国立大学法人岡山大学は、神経疾患や心不全、さらにはがんに関する診断と治療を劇的に変える可能性を秘めた新しいPET診断薬を開発しました。この研究は、岡山大学の医歯薬学域の能勢直子助教と樋口隆弘教授を中心に行われ、ドイツのヴュルツブルク大学と国際共同で進められています。
PET診断薬の革新
この新たなPET診断薬は、パーキンソン病や心不全、交感神経系腫瘍の早期診断と治療評価を可能にするものであり、日本国内では世界初の臨床研究が既に始まっています。
1つ目の診断薬については、神経疾患や心不全だけでなく、がんの診断に対してもその適用が期待されています。2つ目は、心筋や腎臓の微細な病変やがんの悪性度に関連する分子変化を高精細に可視化することができる放射性診断薬「[18F]DR29」です。これにより、これまで画像化が難しかった病変をも鮮明に映し出すことが可能になります。
セラノスティクスの実現
さらに重要なのは、この技術が「セラノスティクス」と呼ばれる新たな医療の概念の実現に貢献することです。セラノスティクスは、診断と治療を融合させるもので、特定の病状に基づいて最適な治療を提案することを目的としています。近年、がんや神経疾患の個別化医療において注目を集めているこのアプローチが、岡山大学の研究によって具体化されることが期待されています。
研究の成果と今後の展望
研究成果は、米国心臓協会(AHA)が発行する医学雑誌「Hypertension」にも掲載され、2025年8月には全世界へ発信されます。岐路に立つ医療分野での変革が着々と進行しており、特に個別化医療や早期診断技術は、患者のQOL(生活の質)向上に大いに寄与することでしょう。
樋口隆弘教授は、「日本とドイツの両国の強みを生かしながら、基礎から臨床に至るまで一貫した研究を進めてきたこと自体が画期的な成果である」と述べています。これからの展開に多くの期待が寄せられています。
高精度診断薬の実用化に向けて
この新たな研究は、オープンイノベーションや産学連携を通じてさらなる実用化が進むことが見込まれています。岡山大学は、地域社会との連携を重視しながら、革新的な医療技術の発展に貢献していく所存です。
今後も岡山大学の動向を注視し、最新の医学研究が私たちの生活にどのように貢献するかを見守っていきたいと思います。