アグロデザインの革新、放射光を利用した新たな測定サービス
千葉県柏市に本社を構える株式会社アグロデザイン・スタジオが、海外放射光施設を活用したタンパク質結晶X線回折測定サービスの価格を大幅に引き下げ、顧客に新たな研究支援を提供すると発表しました。この新サービスは、医薬品や農薬の創薬に必要なデータを安価で迅速に提供します。
アグロデザインは、フランスに位置する「European Synchrotron Radiation Facility(ESRF)」の高輝度X線を使用し、結晶16個分の測定を19万8000円(税別)で行うことが可能です。この価格は、昨年の約1/3となる驚きのプライスで、特にプロフェッショナルな研究者向けに特化した内容となっています。
海外施設との提携によるメリット
国内の放射光施設、例えば兵庫県のSPring-8や茨城県の高エネルギー加速器研究機構Photon Factoryは非常に高い技術を誇りますが、これらは電力需要が高いため、特に夏場に長期の休止を余儀なくされることがあります。そこでアグロデザインは、放射光施設の休止期間中も稼働しているESRFと提携し、必要なビームタイムを確保したのです。2023年には176時間のビームタイムが用意され、これにより日本のお客様へフィードバックがスムーズに行える体制を整えています。
アカデミア向けの特別価格も
最近の研究環境では、大学や公的研究機関が民間企業と共同で創薬研究を行うことも少なくありません。それに伴い、アカデミア向け割引としてUni-Puck1個あたり16万円(税別)という特別価格も提供されています。この取り組みによって、研究者たちはより手軽に創薬に取り組むことが可能となります。
利用方法は簡潔
本サービスは非常に簡便です。お客様は凍結した結晶をアグロデザインの研究所に送付するだけで、後は手間のかかる国際輸送や測定をアグロデザインが代行します。測定が完了した後、データはお客様に返送されます。
価格には、Uni-Puckやその輸送容器の貸出料、輸送料、測定費用、データ処理についての費用が含まれているため、追加費用を気にする必要もありません。
AI創薬スタートアップとの連携
また、近年注目を浴びるAI創薬スタートアップや、構造解析を行う受託会社向けにも特別価格を設定し、彼らが自社の研究やサービスにこのX線回折測定サービスを取り入れることができるように配慮されています。これにより、活力ある創薬支援が一層促進されることでしょう。
まとめ
アグロデザインの新たな放射光測定サービスは、医薬品や農薬研究を行う研究者にとって非常に重要なツールとなるでしょう。今後の研究がより活発になり、革新的な製品が市場に登場することが期待されます。詳細な情報やビームタイムの空き状況については、アグロデザインの公式ウェブサイトにアクセスしてください。
アグロデザイン公式サイト
この新しい測定サービスは、創薬研究の進展にとってきっと大きな推進力となるでしょう。ぜひ、活用してみてはいかがでしょうか。