三機工業がIBIS2を導入し、デジタル化を加速
千葉県の株式会社Liberawareが開発した「IBIS2」は、三機工業株式会社に新たに導入されました。この導入により、三機工業はレーザースキャナと組み合わせて使用することで、データ取得部材数を驚異の約135%向上させました。デジタル化の新たな手法が確立され、建物の既存設備の把握がさらに容易になりました。
導入の背景
デジタル化が進む中で、特に建物の内部には複雑な設備が存在します。老朽化や改修を進める際、これらの設備の状態や位置を正確に把握することが求められます。しかし、建物の天井内や機械室など、特に狭いエリアではレーザースキャナの計測が困難であり、得られるデータの質が低下することが問題でした。そこで、三機工業はIBIS2の導入を決定しました。
この新たな技術を用いることで、設備を三次元化し、データをもとに建物の資産価値の維持や向上を図っています。IBIS2の導入により、複雑な現場でもとうてい計測が難しかった部分に対処する手段が整いました。
成果の確認
三機工業はIBIS2導入後、CalTa社のデジタルツインソフトウェア「TRANCITY」と共に検証を行い、他社製品との性能比較も行いました。その結果、IBIS2とレーザースキャナを併用することで作業時間の短縮と同時に、完成部材数の増加を実現しました。
特に、天井裏での動画撮影から得られるデータが、点群処理を経て高精度な3Dモデル化に繋がります。これにより、従来の手法と比べ部材数は約135%向上し、一部の天井裏では約400%もの増加が確認されました。
測定時間の比較
実際の現場での測定時間において、レーザースキャナは40分を要するところ、IBIS2を使用すると10分に短縮されました。点群処理の作業も、IBIS2を併用することで効率が飛躍的に向上。IBIS2のみ、レーザースキャナのみ、そして両者併用の3通りの方法で比較を行った結果、併用による時間の短縮が際立つ結果となりました。
今後の展望
三機工業では、2025年春にIBIS2 Assistをリリース予定です。この新技術は、GNSS信号が得られない屋内での安定したホバリングを可能にします。これにより、より複雑な空間の隅々まで精緻なデータ取得が期待されています。
IBIS2の導入は、単なるデジタル化の手段に留まらず、建物管理の効率化に大きな貢献を果たすことでしょう。今後はさらに多くの現場に導入を進めていくとしています。
株式会社Liberawareについて
株式会社Liberawareは、「誰もが安全な社会を作る」をミッションに掲げ、狭くて、暗くて、危険な屋内空間の点検・計測に特化したドローンの開発を行っています。今後も新技術の開発に邁進し、見えないリスクを可視化することを目指していきます。
- - 会社名:株式会社Liberaware
- - 代表取締役:閔弘圭
- - 所在地:千葉県千葉市中央区中央3-3-1
- - 設立:2016年8月22日
- - URL: Liberaware公式サイト