地域から未来を創る！『やまなし宣言』を採択したフォーラムの全貌

11月23日、山梨県甲府市のYCC県民文化ホールにて「日本創生に向けた人口戦略フォーラム in やまなし」が開催されました。このフォーラムは、人口減少問題に取り組むための戦略を議論する場として、山梨県、県内経済団体、また民間の「未来を選択する会議」のメンバーがともに実行委員会を結成し、実施されました。関東地方で初めての開催となった今回、約700人もの参加者がこの重要なテーマに集結しました。

フォーラムの目的とテーマ

フォーラムの中心テーマは「若者・女性にも選ばれる地方になるために」。関東地方10都県の知事や産官学金労言の代表が集まり、次世代に希望を繋ぐための方策や課題をシンポジウム形式で議論しました。この場では、人口減少という国全体の喫緊の課題に対して多様な主体が協力し合う重要性が強調されました。

シンポジウムでは、以下の三つのテーマを基にディスカッションが行われました。
1. 希望の未来を叶える住まいと住環境の整備
2. 女性が地方で活躍する社会を創るために
3. 人材希少社会における人的資本経営

各シンポジウムの具体的な内容

最初のシンポジウムでは、住まいと住環境の整備を通じて、子育て世代が安心して暮らせる地域作りの重要性が論じられました。登壇者からは、賃金引き上げや子育て世帯向けの住宅基準策定など、地域の特性に応じた多様なアプローチが紹介されました。特に、住環境の改善や賃金向上が地域を強化し、人口増加につながるといった点に対する共通理解が得られました。

次に、女性の活躍の場を確保するための施策について議論が展開されました。インフルエンサーのMomoka氏は、情報発信の重要性を指摘し、 “やまなし女性Miraiクエスト”の成功事例を挙げながら、地域での女性活躍を促進する必要性を強調しました。さらに、障がい者の立場からは田中千晶氏が、自らの経験を通じて、誰もが暮らしやすい社会を実現するための意義を語りました。

最後のシンポジウムでは、労働力不足という現実に対して、企業がどのように人的資本経営を実施していくかが話し合われました。企業が直面する人材確保の難しさや、若者や女性の選ばれる企業であるためには労働環境の改善が不可欠であるとの共通認識が得られました。特に、透明性のある就業環境やキャリアアップ制度の導入が、人材定着に寄与することが強調されました。

やまなし宣言の採択

フォーラムのクライマックスとして、「やまなし宣言」が採択されました。この宣言は、人口減少を克服し、日本創生を実現するために、一人ひとりが自分事として参加し、行動する国民的運動の推進を宣言するものです。

登壇者たちは、安心して子どもを産み育てられる地域の構築や、希望を持って挑戦できる環境の整備を誓いました。幕を閉じるにあたり、フォーラムは地方創生の新たな方向性を示し、参加者全員の意識改革と行動の一歩を促す場となりました。これからの取り組みが、若者や女性に選ばれる魅力ある地方づくりへとつながることを願っています。