北九州市でドローン技術が変える港湾点検の未来
北九州市が国内でも有数の港湾施設を有していることをご存知でしょうか?その数は165バースにも及び、老朽化した施設の点検や管理が今後大きな課題となることは明白です。そんな中、株式会社Liberawareが新たに開発した「IBIS2」というドローンが注目を集めています。これは、北九州市が推進する「企業変革・スタートアップ・グロースサポート事業」の一環として進められるイノベーション支援プログラム「行政課題解決」枠での実証実験によるものです。
港湾点検の課題と解決策
従来の港湾桟橋の点検方法では、潮流が速くいる海上での作業は非常に困難であり、干潮時にのみ作業が可能とされていました。また、桟橋と海水面との間は非常に狭く、小型ボートや潜水士による視認点検も時間がかかってしまいます。
この課題をひとつずつ解決するために、Liberawareは多機能発射台を開発しました。
発射台には温風ヒーターが搭載されており、これによりカメラレンズへの結露を防止します。さらに、発射機本体には無線受信装置を配置し、桟橋下でも安定した指示を受けられる仕組みになっています。この工夫により、狭小空間でも円滑にABIS2を飛ばすことができ、精密な点検が実現しました。
実証実験の成果
実証実験を通じて、IBIS2は従来方法に比べて格段に効率よく点検作業を進めることが可能となりました。狭い場所でも自在に飛行できるため、点検が必要なポイントを迅速にチェックできる上、労力も大幅に軽減されます。このような技術が、港湾施設の維持管理において大いに役立つことが期待されています。
今後の展望
北九州市のイノベーション支援プログラムにおいては、スタートアップ企業による新たな技術・アイデアの創出が重視されています。今後もIBIS2が各自治体と連携を深め、老朽化した施設に対するリスクマネジメントの一環となることが期待されます。
また、Liberawareはこの技術を通じて「見えないリスクを可視化する」ことをミッションに掲げており、数多くの企業や地方自治体と協力し未来の社会に貢献する予定です。
企業概要
株式会社Liberawareは、千葉県千葉市に本社を構え、2016年に設立されました。扱うプロダクトには、ILSをはじめとした多様なドローンがあり、点検業務を中心とした幅広いサービスを展開しています。
「誰もが安全な社会を作る」というビジョンのもと、革新的な技術を用いて地域のインフラ管理や点検の分野での貢献を目指す姿勢が評価されています。
詳細な情報や最新の技術については、公式ウェブサイト(https://liberaware.co.jp/)を訪れることをお勧めします。