Tokyo Artisan Intelligenceが国際会議に登壇
2025年6月4日、カナダのモントリオールで行われる「The 34th International Workshop on Post-Binary ULSI Systems」にて、Tokyo Artisan Intelligence株式会社(以下TAI)の中原啓貴氏が講演を予定しています。この国際会議は、マルチバリュー論理に関連する技術を専門に扱うIEEE第54回多値論理国際シンポジウム(ISMVL2025)と同時開催され、次世代の核となるULSI技術について活発な議論が行われます。
登壇内容について
中原氏の発表テーマは「Development of a reconfigurable AI-chip toward a computer vision-based intelligence system」です。これは、画像処理に特化した再構成可能AIチップの設計及び、TAIが推進するエッジAI事業との関連を深掘りする内容となっています。具体的には、FPGA(Field Programmable Gate Array)を用いた技術を基に、AI処理の最適化と効率化を目指します。
FPGAは、半導体回路を現場のニーズに応じて更新できる柔軟なチップです。これにより、高速かつ低電力でAI処理を実行し、特にビジョンAI領域において顕著な性能を発揮することが可能です。TAIは過去にFPGAを活用することで、ハードウェアとその用途を特化したAIモデルを駆使し、高い処理能力と認識精度を実現してきました。
しかし、次世代のAI処理に対する需要は急激に増加しており、そのための発熱問題が大きな課題となっています。TAIでは、この課題を解決するために、再構成可能技術を統合した新たなエッジAI専用チップを設計し、「SEASIDE」と呼ばれる新プラットフォームへの実装を検討しています。このプラットフォームにより、既存システムの熱問題を改善し、社会実装の加速度的な促進を目指します。
イベント詳細
- - 日時: 2025年6月4日(水)
- - 場所: カナダ ケベック州 モントリオール
- - イベントURL: ULSIWS2025
登壇者のプロフィール
中原氏はTokyo Artisan IntelligenceのCEO及びCTOを務める傍ら、東北大学で教授としても活動しています。彼は半導体設計技術、AI、コンピュータアーキテクチャに精通しており、学生時代から深層学習の先駆者として知られています。2012年からはFPGAを利用した応用研究に着手し、さらには英国インペリアル・カレッジ・ロンドンでの客員研究員としての経験も持っています。2020年にはTAIを設立し、AIや半導体チップに関する研究開発とその社会実装を進めています。
Tokyo Artisan Intelligence株式会社について
TAIは2020年に設立され、AI技術の社会実装を目指す東北大学発のベンチャー企業です。彼らが提供する「エッジAI」は、クラウドに依存せずデバイス側でAIアルゴリズムを実行する革命的な技術です。リアルタイムかつ低消費電力を実現し、産業機器、医療機器、製造装置、ヘルスケア、インフラなど、さまざまな分野にわたってニーズに応じたソリューションを提供しています。
他にも、AIエキスパートの育成にも注力し、人材の側面からも業界全体の発展に寄与しています。
詳しい会社情報や最新プロジェクトについては、TAIの公式サイトをご覧ください:
Tokyo Artisan Intelligence