片腕の青年が夢を叶えたベーカリーPINEの軌跡
千葉県大網白里市にある『ベーカリーPINE』は、事故で片腕を失った青年、松丸延広さんの熱意と努力の結晶です。このパン屋の開業は、株式会社おかやま工房の支援によって実現しました。特に、河上祐隆社長が率いる「リエゾンプロジェクト」が全面的にサポート。2025年4月6日のオープンに向けた道のりは、単なる支援を超えた感動的な物語です。
「パン屋をやりたい」という夢
松丸さんが開業を希望したのは、2024年の秋。事故によって右腕を失ったものの、「パン屋をやりたい」という夢を堅持し続けました。その願いを叶えるために、リエゾンプロジェクトが動き出しました。初めは、製パン技術研修や店舗物件探しなど、開業に必要なサポートが行われました。
伴走型支援
松丸さんの経験を尊重しつつ、安全かつ効率的に製パンする方法を一緒に模索しました。専属トレーナーが、片手での作業に適した器具や手法を細かく検証。生地の分割や成形には専用のガイドを使用し、なるべく作業を容易にする工夫が施されました。
河上社長自身も実際に片腕での作業を体験し、松丸さんが安心して作業できる動線をご提案。ミキサーやオーブンの設定調整、軽量天板の導入、レシピの微調整など、具体的な改良が進められました。
大盛況のオープン
オープンの日、松丸さんは「本当にお客さんが来るのだろうか」と不安を口にしていました。しかし、実際には1日150個の販売を目標としていたところ、450個以上が販売されるという驚異的な成功を収めました。途中のトラブルを乗り越え、最終的には400個以上のパンが売れました。その様子は日本テレビの『news every.』で特集され、全国に放送されました。
自身の経験を未来の誰かに伝えたい
オープン初日の夜、松丸さんは「パン屋をやって本当に良かった」と静かに呟きました。彼は「自分のような人でも、やればできるということを伝えたい」とも語り、他の人たちを勇気づけたいという思いがあることを明かしました。このように、「リエゾンプロジェクト」は個々の状況に寄り添った支援を続け、困難を抱えた誰もが自己実現できる環境作りに力を入れています。
店舗情報
『ベーカリーPINE』は千葉県大網白里市北今泉923-23にあり、営業時間は10:00から16:00まで。営業日は日曜日、水曜日、金曜日です。運営にあたっては、Instagramも利用されており、詳細な情報は
こちらのリンクからご確認いただけます。
まとめ
『ベーカリーPINE』の開業は、一人の青年の夢が真実になった感動的なエピソードです。身体に障がいがある方だけでなく、ベーカリー開業に対して不安を抱えるすべての人々に向けて、リエゾンプロジェクトは今後も支援を継続していくことでしょう。その活動は、毎日新たな夢を育んでいます。