木更津高専が主催するサイバーセキュリティ講習会に参加した教員たち
千葉県木更津市に位置する木更津工業高等専門学校(以下、木更津高専)と高知工業高等専門学校(以下、高知高専)は、サイバーセキュリティ教育の質を向上させるための重要な取り組みを行っています。その一環として、令和7年8月26日と27日の2日間、東京都港区にあるMathWorks社の東京オフィスにおいて、全国の高等専門学校教職員を対象とした「組み込みソフトウェアにおけるサイバーセキュリティ講習会」が実施されました。
講習会の目的
この講習会は、サイバーセキュリティやIoT、デジタルものづくりといった異分野の融合を目指し、教員たちが最新の技術に関する知識と実践的なスキルを身に付け、教育現場での応用を図ることを目的としています。特に、参加者からの意見交換の場を設けることで、さらなる教育の質向上を図ろうとしています。
実施概要
会場となったMathWorks社のトレーニングルームには、全国から集まった20名の高専教職員が参加しました。初日のセッションでは、「組み込みソフトウェアにおけるサイバーセキュリティ」をテーマに、静的コード解析ツール「Polyspace」の使用体験を兼ね備えた講義が行われました。
二日目には、「モデルベース開発による組み込みソフトウェア実装」に関する講義および、モデルからCコード実装までの一連のフローを体験するハンズオンセッションが行われました。多くの参加者が、実際の現場で活用されている最新技術を学ぶ機会を得ることができました。
参加者の反応
参加者からは、講習会で得られた知識は非常に価値があるものであったとの声が多く寄せられました。「もう少し時間があれば、さらに深く学ぶことができた」との感想もあり、ハンズオン形式で学ぶことに好評が集まりました。また、今後は具体的な脆弱性の事例やセキュアコーディング、実際のハードウェアを用いた演習への期待も表明されていました。
今後の展望
本講習会で得られた知見は、参加した教職員によって所属する高専にて共有される予定です。また、K-SEC(KOSENサイバーセキュリティ教育推進センター)では、引き続きサイバーセキュリティ教育の質向上と、教員のスキル向上を図るための取り組みを継続していく方針です。
K-SECは、サイバーセキュリティ人材育成のためのエコシステムを構築し、産学の連携による高度な教育とセキュリティ教育の実践を推進しています。これにより、デジタルものづくり技術の教育環境を整え、学生たちが現代の社会で必要とされる技能を身に付けることを目指しています。
今後も、木更津高専と高知高専が連携し、教育の質を高めるための施策を考えていくことで、サイバーセキュリティの分野での新たな人材の育成に寄与していくことでしょう。