男性脱毛に潜むリスク、硬毛化の真実を解説
近年、男性の脱毛ニーズは急増しています。サロンやクリニックも増え、手軽に利用できるようになりましたが、ここで気をつけたいのが「硬毛化」という副作用です。これは医療レーザー脱毛後に産毛が濃くなる現象で、男性にとって大きなリスクとなる可能性があることが研究によって明らかになりました。
硬毛化とは?
硬毛化(Paradoxical Hypertrichosis:PH)は、医療レーザー脱毛後に照射した部位やその周囲で過剰な体毛が発生することを言います。これまで「まれな副作用」とされてきましたが、最新の研究がその実態を変えました。
医療法人社団慶峰会クレストスキンクリニックの森口医師によると、男性の約33.3%が硬毛化を経験する一方で、女性は約9.0%と大きな差があります。つまり、男性は女性の約3.7倍、リスクが高いということです。
この事実は、国際的な皮膚科学誌「Journal of Cosmetic Dermatology」に2025年に発表される予定で、非常に注目されています。
硬毛化の実態
この研究では、318名の患者のカルテが調査され、硬毛化がどのように発生するかが分析されました。使用されたレーザーはGentleMax Proで、国内で標準的な施術が行われました。その結果、特に男性では背中や肩、上腕での硬毛化が多く見られたことが示されました。この点は、硬毛化が顔周辺だけに起こるとの従来の認識を覆すもので、他の部位でも注意が必要だと考えられます。
リスクを理解した上での選択
脱毛市場は競争が激しく、価格が魅力的なサロンやクリニックが多い中で、患者は安易に選択してしまうことがあります。しかし、硬毛化というリスクを理解した上で治療を受けることが重要です。森口医師は「医療脱毛は美容行為ではなく、医療行為である」と強調しています。
これは、専門的な知識と適切なフォローが必須であることを意味します。いわゆる「安易な脱毛」が逆効果になるリスクがあるため、医療従事者は患者に対してしっかりとした情報提供を行うべきです。
予防策と今後の研究
最近の研究では、日焼け止めの使用が硬毛化のリスクを下げるとされており、予防策の重要性が増しています。また、この現象は適切な追加治療によって改善できることもあるため、患者は不安を持たずに相談できる医療機関を選ぶべきです。
クレストスキンクリニックでは、今後も硬毛化のメカニズム解明とリスク低減策の研究を進めていく方針です。安心して治療を受けるためには、科学的データに基づいた情報提供が不可欠です。
まとめ
男性の医療脱毛患者にとって、硬毛化は深刻な問題ですが、正しい知識を持ってリスクを理解することで、安全に脱毛を行うことができます。脱毛を検討している方は、必ず専門家の意見を参考にし、自身の選択を見直していきましょう。
取材・お問い合わせ:
医療法人社団 慶峰会 クレストスキンクリニック
星野舞花
TEL: 047-406-3754
E-mail:
[email protected]