千葉の伝統文化を守る!海女体験イベント「千葉の海っ子調査隊」開催
概要
2025年8月20日から22日にかけて、千葉県内の小学校5・6年生20名が集まる「千葉の海っ子調査隊」が開催されました。このプログラムは、千葉の伝統的な海女文化を学ぶとともに、海の環境問題について考える体験型の学習イベントです。参加者はさまざまなプログラムを通じて海女の仕事を実際に体験し、海洋資源の重要性を理解することを目指しています。
このイベントは、海洋環境の変化や課題に直面している千葉の海を未来に引き継ぐための取り組みであり、一般社団法人海と日本プロジェクトin千葉県が実施しました。特に、アワビの資源管理や海女の担い手不足といった課題への意識を高めることが目的となっています。
日程と場所
イベントは南房総市と千葉市で行われ、子どもたちは2泊3日のプログラムを通じて多くの学びを得る機会があります。参加者は協力団体である千葉県水産総合研究センターや、漁業協同組合などの支援を受けながら、充実した体験をしました。
初日のプログラム
初日は、千葉県水産総合研究センターにて海女文化についての講義を受けることからスタートしました。センターでは、千葉のアワビ漁業の現状や海洋環境の変化に関する知識をクイズを交え学び、藻場の重要性についても考えました。続いて、畜養館で実際にトラフグやアワビを見学し、魚たちの生活環境について理解を深めました。
夜の交流会
その後、現役の海女や海士さんとのトークセッションが行われ、子どもたちはその仕事の内容や道具について興味深く学びました。意見交換を行い、千葉の海女文化の現状やその維持方法について自分の考えを整理する機会にもなりました。
2日目のアクティビティ
2日目には磯着を身にまとい、実際に塩浦海水浴場にて磯の生物調査を行いました。カニやヤドカリ、魚たちを探し出すことで、海の生物に対する理解を深め、自然を大切にする心を育むことができました。この日は午後から大房岬自然公園での「コーステアリング」活動が行われ、高い岩場を登ったり、急流に飛び込んだりするアドベンチャー体験も盛り込みました。
最終日の発表
最終日には、イベントでの学びを新聞記事としてまとめる活動が行われました。千葉日報の記者からそれぞれの班が設定したテーマに基づき、記事作成のコツやレイアウトについて学び、班ごとに役割分担をしながら記事を発表しました。これらの記事は後にタブロイドに掲載され、このイベントの成果として広く周知されることとなります。
オリジナルメニューの開発
体験の集大成として、参加者たちは千葉県内の和食レストラン「すしめん処 大京」とコラボし、海産物を用いたオリジナルメニュー作りに挑戦しました。各自が考案したメニューを投票で選び、最終的な「推しメニュー」を決定しました。この経験が、将来にわたり海産物への感謝や、地域の食文化を考えるきっかけになればと期待されています。
参加者の声
参加した子どもたちからは、「海女さんになりたい」といった意欲的な声や、「海の資源を守るために何ができるか考えたい」といった感想が寄せられました。また、保護者からは「子どもが自信を持って体験を語る姿が嬉しかった」との声もあり、イベントの充実度を感じさせました。
このように「千葉の海っ子調査隊」は、子どもたちが海女文化を通じて会得した学びを、地域社会全体に広める成果を上げています。未来の海のために、次世代が果たすべき役割について考える、貴重な体験となることでしょう。