デジタル資産相続の実態と課題
株式会社GOODREIが実施した新たな調査によれば、最近の相続でデジタル金融資産を受け取った人は、なんと4人に3人の割合に達しています。この調査は、デジタル遺産相続の実情を把握し、相続の際に直面する課題を明らかにすることを目的として行われました。特に注目すべきは、故人の年齢層による違いであり、50代の故人からの相続が最も多いという結果が出ました。この情報は、9月10日から11日に開催される『エンディング産業展2025』にて詳しい内容が発表される予定です。
調査の背景と目的
デジタル金融資産は、インターネット専業の金融機関の預金や証券、仮想通貨など、従来の資産とは異なる特性を持っています。これにより、遺族が故人の資産を把握できず、相続手続きが複雑化するケースが増えてきています。GOODREIは、このような現状を踏まえ、デジタル金融資産の相続に関する実態を把握し、課題を社会に提起することを目的としています。
主な調査結果
調査の結果、過去5年以内に相続を経験した人々の73%がデジタル金融資産を受け継いでおり、特に故人が40代以下の場合、100%の相続率という驚くべきデータが得られました。また、相続されたデジタル資産の種類では、国内ネット銀行とネット証券が最も多く、それぞれ約40%を占めました。
故人の年代別のデジタル金融資産相続額については、50代の故人からの相続が最も多く見られ、年代が上がるにつれて相続額が減少する傾向があります。多くの遺族が、故人の年代によって異なるデジタル金融資産の相続額を意識していることも伺えます。
相続手続きの複雑さ
デジタル金融資産が相続手続きを困難にしている理由として、IDやパスワードの不明確さが挙げられます。遺族は、故人が保有していたデジタル資産の存在に気づかないまま、相続手続きを進めてしまうことがあり、これが遺産分配の遅延や誤りにつながる可能性があります。調査によると、相続の完了には一般的に3から6ヶ月かかるケースが多く、特にデジタル資産の相続では、通常の相続よりも長引く傾向が見受けられます。
専門家の見解
Sfil法律事務所の弁護士、坪内清久氏は、デジタル金融資産の相続について非常に示唆に富む結果であると述べています。特に、デジタル金融資産が「相続の当たり前」となりつつある点に注目すべきとし、専門家が早期に資産情報の整理や管理方法を検討することの重要性を強調しています。
結論:デジタル資産の重要性
デジタル資産は、現在や将来においてもますます重要なものとなっていくことが予想されます。相続人が正確な情報を持ち、適切な手続きを行うためには、普段からデジタル資産について整理・管理を行っておくことが必要です。GOODREIは、今後もデジタル資産の管理や承継に関する調査を通じて、安心して資産を次世代に引き継ぐ社会の実現に寄与していくとしています。相続という重要なテーマにおいて、私たち全員がこの新たな課題を意識することが求められています。
今後のセミナーでは、相続支援の専門家がこの調査結果に基づく実態を詳しく解説しますので、興味を持たれた方はぜひ参加をご検討ください。