新たな体験価値を提供するプロジェクト
合同会社CGOドットコム、株式会社セブン-イレブン・ジャパン、そして日本電気株式会社(NEC)の三社が協力し、未来のコンビニ体験を変革するプロジェクトを始動しました。この取り組みは、消費行動の多様化に応じた新しい購買体験の提供を目指しています。
プロジェクトの背景について
少子高齢化が進む中、特に若年層の消費行動は大きく変化しています。従来のように「物を買う」という目的だけでは来店する動機が薄れ、ましてや単なる買い物以上の体験を求めるようになりました。セブン-イレブン・ジャパンでは、顧客層の高齢化と若年層の利用減少という課題に直面しており、そこで新しい体験を提供することが求められていました。
今回のプロジェクトでは、特に若年層がコンビニをどう捉えているのかをヒアリングした結果、「ひとりで行く場所」「必要なものをサッと買うだけ」という声が多数寄せられました。このことから、若年層がグループで訪れたくなるような施策を生み出す必要があることが浮き彫りになりました。
ギャル式ブレスト®︎によるアイデア創出
本プロジェクトのユニークな点は、CGOドットコムの「ギャル式ブレスト®︎」という手法を導入し、参加者が自由にアイデアを出し合うことにあります。この手法では、参加者は自身の過去の経験を基に、「複数人で行動する動機」を洗い出していきます。そして、その意見を基に、未来のセブン-イレブンで「複数人で行きたくなる」アイデアをブラッシュアップしました。
例えば、「二人でハートの形を作らないと買えない商品を作る」「人数に応じた特別な購入商品」「一緒に来店した人とチェキを撮る企画」など、200以上の斬新なアイデアが生成されました。これらは、若者の情緒に響く施策として今後の具体化が期待されています。
体験価値の抽出と実証実験へ
生まれた200のアイデアを分析し、ここの中から求められるコンビニエンスストアの体験価値を明確にしました。重要なポイントとしては、商品購入だけでなく、そのプロセスに関与する共有体験の価値、予測できない驚きや発見のある空間提供、自己表現の場としての可能性などが挙げられます。これを基に、店舗の物理的な制約を考慮しつつ、広がりのある体験を設計しています。
今後の展望
2025年度には、コンセプトを実店舗で試すための実証実験を予定しています。また、インバウンド対応や地域特性を生かした店舗作りなど、他の重要な課題にも応用を検討しているとのことです。これらの取り組みを通じて、セブン-イレブン・ジャパンは、新たな市場での競争力を強化し続けることでしょう。
各企業の代表者からは、今回の共同プロジェクトが新しいアイデア創出の良い機会となり、多くの気づきを得ることができたといった声が多数上がっています。今後の展開にも期待が高まるばかりです。
まとめ
今回のプロジェクトは、セブン-イレブン・ジャパンとNECが持つ各々の強みを掛け合わせ、非常に新しいアプローチで「買い物」を超えた体験を消費者に提供しようとしています。「商品を買う」のから「体験を楽しむ」へとの顧客価値の転換を図るこの取り組みは、間違いなく未来のコンビニエンスストアのあり方に影響を与えることでしょう。