木更津高専が提供する情報セキュリティ演習Ⅱ
千葉県木更津市に位置する木更津工業高等専門学校は、近年のサイバー攻撃の増加に伴い、情報セキュリティ教育を強化するために「情報セキュリティ演習Ⅱ」を開講しました。この講座は2025年8月19日から21日及び9月2日から4日までの計6日間、集中して行われました。
実践的な授業の内容
本講座の特長は、実際のセキュリティエンジニアが講師として参加し、高度で実践的な内容が授業に盛り込まれている点です。学生は、OSINT(オープンソース情報収集)やRed TeamとBlue Teamの演習を経験し、攻撃と防御の両方からサイバーセキュリティの理解を深めました。
授業は、実際のセキュリティ現場を模した形式で行われ、学生同士の協力や課題解決能力を向上させる機会が提供されました。特に後半は、香川大学と情報セキュリティ大学院大学の教員による専門的な講義が行われ、マルウェア解析やAIによる脅威検知など多様なテーマが扱われました。
受講生の反応
今回の演習には、木更津高専から42名、他の高専から73名の合計115名の学生が参加し、ハイブリッド形式(対面とオンライン)で実施されました。受講生からは、実践的な内容が非常に好評でした。「新しい知識を得ることができた」、「友人と協力して課題を解決し、達成感を感じた」という声が多く寄せられています。
例えば、CTF(Capture The Flag)活動を通じて、解決策を考えながらの過程が特に楽しめたという感想や、サイバーセキュリティの法制度に触れることで、技術の重要性と法律の理解の両方が求められることに気づいたという意見もありました。また、心理学の視点を取り入れた授業も新鮮であるとのコメントが多く、さまざまな観点からの学びが得られているようです。
今後の展望
木更津高専では、今後も「KOSENサイバーセキュリティ教育推進センター」の取り組みとして、さらなる教育プログラムの拡充を行う予定です。同センターではサイバー空間とフィジカル空間が融合した社会に対応できる人材の育成を目指しており、木更津高専の「プラスセキュリティコース」とも連携した教育が模索されています。
この取り組みは、今後のサイバーセキュリティ教育の中心としての役割を果たし、全国の高専との連携を強めるモデルケースとしての展望が期待されています。
まとめ
木更津高専の「情報セキュリティ演習Ⅱ」は、ただの講義形式ではなく、現役エンジニアによる実践的な学びを通じて、学生たちが将来的にセキュリティエンジニアとして活躍するための基盤を築くことを目指しています。今後も教育の質を高めつつ、技術と法律の両面からのアプローチを通じて、より多くの人材を育成していくことが期待されます。