千葉の新しい選択肢、10周年を迎えた森の墓苑が最後の区画販売開始

千葉県長南町の「森の墓苑」10周年記念販売

千葉県長南町にある自然再生型墓地『森の墓苑』が、開苑10周年を迎え、2025年秋に最後の170区画が販売されることになりました。この墓苑は、土砂採掘で失われた土地を自然に戻すために創設されたもので、樹木や草花を墓標として利用する革新的な形態の葬墓です。お盆や秋のお彼岸が近づく中、多くの人々がお墓選びに関心を寄せていますが、『森の墓苑』はその選択肢の一つとして注目されています。

樹木葬への関心が高まっています

近年、日本では伝統的な墓に代わり樹木葬の人気が高まっています。この埋葬方法は、墓石の代わりに樹木や草花を使用し、自然に還ることを目指すものです。多くの方が、先祖からの継承を気にせず、自分のライフスタイルに合った形式を選ぶようになりました。しかし、樹木葬には公的基準がないため、多様な形態が存在し、見学時に「想像したのと違う」との声も聞かれます。

『森の墓苑』が選ばれる理由

『森の墓苑』が多くの人々に支持される理由は、いくつかの特長にあります。まず、

- SDGsに貢献：墓石の代わりに在来樹木を植え、未来の森を育てるという理念は、環境保護に寄与します。さらに、地域づくりにも貢献しており、近年はふるさと納税返礼品に選ばれています。
- 現代のニーズに応える：費用を抑えつつ、子供たちに管理を任せないお墓が必要な人々にとって、非常に魅力的です。ペットも一緒に埋葬できる点も大きな魅力の一つです。
- 画一的でない形式：通常の樹木葬で見られるような合祀されることや骨を粉砕する必要がなく、故人の意志を尊重した形での埋葬が実現されます。

10年の軌跡

千葉県では、長年にわたる土砂採掘の跡地を取得し、2016年に開苑が開始されました。ここでは、50年にわたって約50種類の樹木600本以上が植樹され、多くの生き物が訪れる自然の森が形成されています。トウキョウサンショウウオやカヤコオロギといった珍しい生物も見ることができ、多様性に富んだエコシステムが育まれています。「お墓なのに新しい命が芽生える」という新たな価値観がここに根付いています。