環境に優しい未来を創る新たな取り組み
昨今、環境への配慮がますます求められる中、建設業界も例外ではありません。そこで注目を集めているのが、城東リプロン株式会社と清水建設株式会社の共同プロジェクトです。
このプロジェクトでは、清水建設の建設現場で発生した廃プラスチックを利用し、プラスチック製の雨水貯留槽(ハイドロスタッフ🄬)の構造体にリサイクルする取り組みを始めました。これにより、廃プラスチックを再利用し、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出しています。
廃プラスチックのリサイクルの課題
非効率な廃プラスチックのリサイクルが多くの業界で問題となっています。特に消費者が使用済みの製品から出る廃プラスチックは、汚れや異物が多く含まれているため、リサイクルが難しいのが現状です。この状況に対し、建設現場由来の廃プラスチックのリサイクル率も非常に低いのが現実です。
特に、樹脂製品の製造工場から出る不良品や端材などを原料としたリサイクル材(PIR材)は過去50年以上にわたり安定した品質で使用されてきましたが、消費者由来の廃プラスチック(PCR材)の課題にはまだ目が向けられていません。そこで城東リプロンは、これまでのマテリアルリサイクルのノウハウを活かし、具体的な解決策を導き出しました。
高度分別と新しい利用法
このプロジェクトでは、清水建設が建設現場内で廃プラスチックを高度に分別し、リサイクラーと連携して、再資源化された廃プラスチックの材料化を実施しています。その結果、プラスチック製雨水貯留槽の材料として利用できる土台が築かれました。
実際に、廃プラスチックを利用した雨水貯留槽の設計と試作を進めており、1つのプロジェクトに対して数トンから数十トンの廃プラスチックがリサイクルされる見込みです。この雨水貯留槽は、長期的に(50年以上)にわたり地下に埋設され、環境への負担を軽減する用途として非常に理想的です。
今後の展望
今後は、雨水貯留槽以外にも新たな材料開発や製品開発を進める計画があり、廃プラスチックの利用をさらに拡大することが期待されています。資源循環社会の実現に向けて、城東リプロンは一歩一歩前進しています。この取り組みが、今後の建設業界における廃プラスチックのリサイクル率向上に寄与し、持続可能な未来を形作ることを願っています。
会社概要
城東リプロン株式会社
- - 所在地:東京都中央区築地六丁目19番20号ニチレイ東銀座ビル9階
- - 代表者:横江 政洋
- - 設立:1984年7月25日
- - 事業内容:住宅・土木資材の製造、再生原料の製造・販売
- - 会社URL:城東リプロン公式サイト
この新たな取り組みが、環境意識の向上と持続可能な社会の実現へと向かう足がかりになることを祈っています。