中小企業の課題をDXで解決する発表会が南房総市で開催
南房総市と館山市の合同で、地域の中小企業がデジタル化を進めるための成果を発表する「DX成果発表会」が開催されました。このイベントは、株式会社フォーバルのサポートを受けて行われ、参加者は自治体関係者や金融機関、市内の企業関係者など、約50名が集まりました。
背景にある経営課題
昨今、南房総市及び館山市の中小企業は、物価の高騰や金利上昇、さらには人手不足といった厳しい経営環境に直面しています。こうした背景から、企業は生き残りをかけて、業務の効率化や生産性向上が求められています。DX推進は、その手助けとなる重要な施策として注目されています。
フォーバルの取り組み
この発表会は、フォーバルが地域の中小企業の支援を行ってきた成果を共有する場となりました。参加企業の取り組みを通して、デジタル化の具体的な成功事例が紹介され、業務効率向上や売上の改善に繋がった事例も目立ちました。
企業の成果発表
三浦建設株式会社
三浦建設では、部署間の業務が効率よく連携されていなかったため、スケジュール管理を「kintone」の導入によって改善しました。結果として、業務の可視化が進み、DXスタート診断のスコアが大幅に向上し、社員間の情報共有がスムーズになりました。
有限会社谷川自動車
谷川自動車では、企業の情報が社長個人に依存しており、他の社員が業務を把握できないという問題がありました。しかし、業務フローを整理し、社内情報を全社員で共有可能にした結果、業務の見える化が実現され、引き継ぎも円滑化されました。
有限会社小林クリーニング店
小林クリーニング店では、社内業務がアナログ管理になっていたため、Excelを活用したデジタル化の導入に取り組みました。この改善により、業務フローが再構築され、DXスタート診断スコアも向上しました。
今後の展望
このプロジェクトは令和7年度も実施予定で、さらなる地域事業者の参加を呼びかけています。フォーバルは、DXを一過性の施策とせず、持続可能な経営改革に繋げるため、企業ドクターとして伴走支援を続ける考えです。
参加者の感想
多くのコメントから「可視化の重要性」や「経営者の意識改革」の必要性が挙げられました。特に、経営者自身が先頭に立つことが、DX推進の第一歩となるという意見が共通してありました。また、デジタル知識を持たない経営者でも、危機感を持つことがDX推進へのモチベーションになるとの声も聞かれました。
南房総市と館山市は今後も、このDX支援活動を強化し、地域全体の競争力向上を目指しています。これからの展開に期待が高まる中、注目の施策として、多くの企業が参加することが期待されています。