千葉県で始まった!自動充電ドローンによる建設現場の革新
千葉県の株式会社リベラウェアとKDDIスマートドローン、そして大林組の3社による共同プロジェクトが、建設業界に大きな変革をもたらしました。この取り組みは、上信越自動車道の北野牧工事において、国内初となる自動充電ポート付きドローンを1年間にわたり常設し、現場補助者なしでの目視外飛行(レベル3)による遠隔自動測量を成功させたものです。この技術革新は、建設現場の進捗状況を高精度に可視化することを可能にしました。
1. ドローン導入の背景と必要性
上信越自動車道北野牧トンネルでは、約70mの崖に9万5,000m³もの岩塊が存在しています。日本の高速道路を利用する人々の安全を守るため、2017年からNEXCO東日本が行っているこのプロジェクトは、従来手法では進捗管理が非常に難しい状況に置かれていました。トラックスケールでの計量や定期的な現場測量は、多くの手間や時間を要し、効率的ではありません。そこで、短時間かつ高頻度で現場全体を記録できる自動充電ドローンの導入が検討されました。
2. 取り組み内容の詳細
2.1 遠隔運航の手法
大林組がKDDIスマートドローンの遠隔運航サービスを利用し、自動充電ポートを設置したドローンを運用しました。毎週、東京都内のオフィスからドローンを遠隔で操作し、自動離着陸、現場全体の撮影、データのクラウド転送を行いました。リベラウェアは、この撮影データを三次元点群として解析し、掘削量を算出することで工事の進捗状況を可視化しました。
2.2 得られた成果
この新しい運用体制により、驚くべき成果が挙げられました。
1.
遠隔測量の実現:従来、2人で2日間かかっていた現場測量の作業が、約20分の遠隔運航によって無人で行えることが確認されました。
2.
安全性の確保:運用開始から1年間、無事故での週次リモート測量が継続され、安全確認にはチャットアプリが使用されました。
3.
自動化の流れの確立:ドローンによる撮影からデータ処理までの一連のプロセスが、自動化されたフローとして確立されました。
3. 今後の展望
大林組は、今回得られた知見を元に、さらなるダム建設や他の土木工事への対応を進めていきます。また、夜間や悪天候への対応、さらなる自動化の技術革新にも力を入れていく方針です。この取り組みを通じて、3社はドローン技術の社会インフラ化を進め、建設業界の課題解決に貢献し続けることを目指します。
まとめ
リベラウェアの自動充電ドローン導入プロジェクトは、建設現場の省力化・効率化を促進し、業界全体に新たな風を吹き込む試みです。今後、この技術が他の建設現場にも拡大し、より一層の進化を遂げることが期待されます。私たちが日常的に利用するインフラの安全性や信頼性が向上することで、より豊かで安全な社会が実現されることになるでしょう。