広島特別支援学校の平和学習がカンボジアに届いた実践報告と未来のビジョン
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは、2026年1月23日に広島市立広島特別支援学校によるカンボジアプロジェクトの活動報告会を開催しました。この報告会では、同校教諭の福富茂樹氏が、「世界とつながる学びプロジェクト」の実践内容やこれからの展望を共有しました。
カンボジアでの実践内容
このプロジェクトは、日本全国の特別支援学校やフリースクールで制作された教材を、カンボジアの避難民収容施設で活用し、学びと心のケアを届ける取り組みです。福富教諭は、実際に現地を訪れ、平和教育を実践する中で、子どもたちとの深い交流を経験しました。
平和学習に対する思い
福富教諭は、毎年の平和学習に向けた活動を重ねる中で、ただ祈るだけでなく「行動する平和教育」が必要ではないかという思いを抱くようになったと語ります。カンボジアで出会った避難民の子どもたちの重い表情は、支援の必要性とまさに直面する体験でした。
「事前の学びでは理解できない現実を、現場での経験を通じて知ったことが、本当の意味での平和構築に繋がる」と福富教諭は力強く述べました。この経験から、平和学習が「記憶の継承」で終わるのではなく、「行動」に繋がる必要性を強く感じたのです。
生徒の成長と実績
広島特別支援学校は、2025年8月から「世界とつながる学びプロジェクト」に参画。生徒たちはその中で「自分に何ができるか」を考えながら、教材やプレゼントの制作に励みました。このプロジェクトに参加することで、普段は“支援される側”の子どもたちが、世界に対して“貢献できる側”になる喜びを感じたのです。
生徒たちの制作した平和ポスターがルワンダに渡り、現地の子どもたちのメッセージが返ってくるという相互作用も生まれました。この交流を通じて、彼らは自分たちの作品が国を越えて役に立っている実感を得ることができ、さらなる制作活動への励みとなりました。
教材がもたらした心の温もり
現地での授業実践では、全国の児童生徒が制作した教材を用いての教育や、地雷啓発活動も行いました。特に印象的だったのは、避難生活を送る中で一人寂しく過ごしていた子どもとの交流です。初めは笑顔を見せなかった彼が、日本の子どもたちが作った教材を利用し、やがて「とびっきりの笑顔」を見せた瞬間は、福富教諭にとっても感動的なものでした。このような交流が、「自分の行動が相手にどれほどの影響を与えられるか」という意義を再確認させました。
学び続ける意思
報告の締めくくりとして、福富教諭は今後の行動指針を以下の3点に整理しました。
1. 丁寧に「小さな関係性」を築く
2. 学び続け、問い続ける
3. 教育を通じて「次の世代」に繋ぐ
これらの指針を基に、平和的な未来を形成するための希望を持ち続け、人と人とのつながりの重要性を強調しました。
今後、広島市立広島特別支援学校では、二月末に現地での活動を振り返るフィードバック講演を予定しています。この報告会を通して、参加した生徒たち自身に学びが誰かの力になったことを実感してほしいと望んでいます。彼らの活動が今度は次世代への新たな行動を生む循環を生み出すことが期待されています。