2025年10月3日、株式会社日経BPが展開するマーケティングメディア「日経クロストレンド」にて、「マーケター・オブ・ザ・イヤー2025」の受賞者が発表されました。このアワードは、マーケティング活動を通じて新たな市場を創出した人や革新的なビジネスモデルを構築した人を称え、今年で8回目を迎えます。受賞者は、2024年9月から2025年8月までに発売された商品やサービスで成果を上げた人物や、過去の商品の成果を評価される対象です。
大賞に輝いたのは、日本ハムの「シャウエッセン 夜味」を担当した岡村香里氏と加藤雄太氏です。40周年を迎えたこのロングセラーブランドは、朝食や昼食に食べる固定需要がある中で、夜に食べる消費者層にアプローチする新たな試みとして「夜味」というネーミングで商品を開発しました。このプロモーションを通じて、同ブランドの夕食需要を引き出しています。
優秀賞には、花王のマーケティング改革を行った野原聡氏が選ばれ、3つの新ブランドを展開し、消費者のニーズに応える商品開発体制を構築。さらに、TENTIALの岩松泰平氏が指揮する「BAKUNE」シリーズも評価され、睡眠の質を向上させるリカバリーウェアとして社会的意義を持つ商品が注目を集めています。
また、丸亀製麺の南雲克明氏は、「丸亀うどーなつ」を開発し、新しい顧客層の取り込みにも成功しました。この商品は2000万食を超えるヒットを記録しました。ローソンの髙橋忠男氏は、過疎地域への出店を強化し、地域共生型コンビニの成功例を示し、高齢化社会への対応の重要性を訴えています。
「マーケター・オブ・ザ・イヤー2025」受賞者は独自の視点や創意工夫を用い、顧客の課題を解決するための手段も評価されました。この賞は、「志」「挑戦」「便益」「実行」「話題性」という5つの基準に基づいて審査されており、外部審査員と編集部による選考が行われています。特に注目されたのは、アソビシステムの木村ミサ氏がプロデュースした「KAWAII LAB.」です。TikTokでの再生数が数十億回を超えるヒット曲を生み出し、新しいアイドル像を確立しました。
さらに、地方編での受賞者も特筆すべき存在です。堀商店の堀新太郎氏が開発した「ポイポイバトラー」は、子どもたちを笑顔にする新しいスポーツとして、全国展開を目指しています。「おてつたび」の永岡里菜氏は、旅行者と地方の農家や宿泊施設をマッチングさせるサービスを展開し、高い社会的意義を持つプロジェクトを進めています。また、ヤマチクの山﨑彰悟氏が立ち上げた竹の箸ブランド「okaeri」は、売上が前年同月比で約30%増という成果を上げています。
授賞式では、日経クロストレンド編集長の中村勇介が登壇し、受賞者や審査員と共に「マーケティングの未来に必要な力」について語るディスカッションも行われる予定です。2025年10月23日、東京ミッドタウンでの開催は注目イベントになることでしょう。
このように、マーケティングの力を通じて社会に変化をもたらす人々の努力が際立っています。今後のマーケティングの展望や新たなイノベーションがどう広がっていくのか、楽しみですね。