中村雄一氏が受賞！なかよし学園が平和教育の新たなモデルを提唱

2025年11月3日、特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトの代表である中村雄一さんが、13年にわたり紛争地や災害地での人道的および教育的支援を行った功績を認められ、東久邇宮文化褒賞を受賞しました。この素晴らしい受賞は、中村さんの「願う平和から、行動する平和へ」という理念を具現化したものと言えるでしょう。

なかよし学園の取り組み

なかよし学園は、日本の教室から世界の現場へと学びを繋げる活動を展開しています。2025年度には、経済産業省の「探究・校務改革支援補助金」に採択され、全国50校以上、年間1万人規模で平和教育を実施しています。

特に注目すべき点は、「CoRe Loop（つくる→届ける→共創→還る→拡張）」という学びの循環を基盤にしていることです。生徒たちが自身で制作したカルタや防災教材、食育キットを実際に海外で使用し、その反応や感謝のメッセージを再び日本の教室に還元するという一連の流れを通じて、学びが社会に役立つものであることを実感できるのです。

中村雄一の背景

中村さんは、幼少期の厳しい環境の中で一人の教師の支えを受け、「学びが人生を変える」ことを体験しました。この原体験が、教育者および実践者としてのキャリアの出発点となり、特に学び直しを求める若者たちを積極的に支援してきました。彼の代表的な成果には、特定の若者を短期間で高卒認定に導いた事例もあります。

さらに、彼は「チョーク1本で世界を平和に」というビジョンの下、アフリカや中東、アジアの現地で教育支援を行い、少年兵の社会復帰や防災・食糧支援にも深く携わっています。このように、教育を通じて「願う平和」を「行動する平和」へと変換する試みは、多くの人々に感動を与えています。

世界に広がるなかよし学園の取り組み

なかよし学園の活動は、単なる教育支援を超え、平和教育の新たなモデルを提案するものであり、その活動範囲は日本国内にとどまらず、様々な国々に広がっています。英国での講演や国連での登壇を行い、その活動が多くの国際的なフォーラムで注目を浴びるなど、市場からの評価も高まっています。

特に、もはや日本の「ふつう」は世界における「すごい」としてとらえられ、その意義は多くの地域で影響を与え続けています。彼らの教材は、シリアやルワンダなど、10カ国以上で実際に使用されており、地域のニーズに応じた教育支援が進められています。

ソーシャルビジネスとの連携

なかよし学園は、教育への取り組みを持続可能なものにするため、地域や企業と連携したソーシャルビジネスモデルを展開しています。例えば、壱岐島では規格外の農水産物を活かした商品を販売し、その収益を国際支援に回すなど、持続可能な経済の仕組みを作ることに励んでいます。

未来を見据えた教育

なかよし学園では、平和とは何か、どうやって作り出すのかを問い直す授業が行われています。生徒たちは自分の学びがどのように社会に実装できるかを設計し、それを通して自己肯定感やグローバルリーダーシップの向上を目指しています。

このような循環により、生徒たちの学びは「よくできました」から「誰かの役に立った」へと変わり、地域や社会への貢献につながるのです。これが、中村さんとそのチームが掲げる「世界とつながる学び」であり、まさにグローバル・エデュケーションの新たな地平を開いています。