木更津高専で行われた「高専キャリアラボ」第7回講演会
令和7年6月30日(月)、千葉県木更津市に位置する木更津工業高等専門学校にて「高専キャリアラボ」第7回の講演が行われました。このプログラムは、学生のキャリア形成をサポートするために設けられた特別学修の一環で、多様な業界で活躍する企業人を講師に招く取り組みです。今回は、経済同友会の会員であるアイロボットジャパンの挽野元社長をゲストスピーカーとして迎え、特に「海外で働く」という視点から、その経験や知見を学生たちに伝えられました。
技術者の視点から経営者へ
講演の冒頭、挽野氏は自身の経歴について学生たちに語りました。超音波工学を専門とし、技術者として活動してきた後、経営者に転身した彼の経歴は、キャリアの多様性を体現しているように感じられました。特に、フランスでの長期にわたる海外勤務が彼に与えた影響は大きく、今でも年間2000kmを走るアクティブなライフスタイルを送っているだけでなく、多くの趣味を持ち、自己成長を続ける姿勢が印象的でした。
海外勤務のリアリティ
講演の中核を成したのは、グローバルキャリアに関する具体的な話でした。アイロボットの製品開発におけるプロセスや、特に注目を集めているロボット掃除機「ルンバ」の技術的な進化についても触れられました。AIやセンサー技術を使った製品の開発理念は、実用性と安全性を重視しているとの説明もあり、学生たちは物作りの現場を垣間見る重要な機会となりました。
さらに、業務に関わる職種の詳細、例えばプロダクトマネージャーやエンジニア、UXデザイナーといった職業についても解説され、実際の業務の流れが具体的に説明されました。この実践的な内容は多くの学生に響き、キャリア形成においての意欲を高める要因となったようです。
異文化理解と多様性の重要性
講演では「異文化理解」の重要性についても強調されました。特に、語学力や日本文化の理解、多様性に対する柔軟性がどれほど重要であるか指摘されました。「一歩踏み出す勇気がキャリアを切り開く」といった挽野氏の熱いメッセージは、学生たちに新たな視点を提供し、海外での働き方や異文化理解の大切さを再認識させるものでした。
多くの参加者が、海外でのキャリアに対する興味を抱き、語学学習への意欲が高まった様子が見受けられました。また、技術者としての未来を考える際に具体的なイメージを持つきっかけにもなったようです。
木更津高専について
木更津工業高等専門学校は、1967年に設立されて以来、多くの卒業生を輩出してきました。学校の教育方針は、広範な教養、国際的視野、判断力、創造力といった能力を育成することに重きを置いています。健康な身体と精神、豊かな情操を育む環境も大切にし、技術者として社会に貢献できる人材の育成に努めています。
今回の「高専キャリアラボ」講演会は、学生たちにとって貴重な学びの機会となり、今後のキャリア選択を考える上で欠かせない経験となったことは間違いありません。今後も木更津高専の取り組みに注目していきたいと思います。