IT業界の未経験者採用の現状と企業の育成力の課題
千葉県松戸市を拠点とする株式会社オクトパスソフトウェアが実施した「採用実態に関するアンケート」の結果が発表され、IT業界における未経験者の採用状況や企業の育成の難しさが浮かび上がりました。調査は131名のシステム会社の採用担当者や経営者、役員を対象に行われ、約8割にあたる104名が「未経験エンジニアを採用していない」と回答しました。
調査の背景
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や多様化する開発ニーズにより、ITエンジニアの需要は増加しています。しかし、その一方で、優秀な人材を確保するための競争が激化し、中小企業では特に採用が難しい状況です。このような中で、未経験者を育成する選択肢が注目されていますが、実際に採用に踏み切る企業は少数です。
企業の採用状況
アンケートの結果、79.4%の企業が「未経験のエンジニアを採用していない」と回答しました。即戦力となる人材を重視する傾向が強く、育成を前提とした未経験者の採用には依然として高いハードルが存在します。この調査から、いかに実務経験を持ったエンジニアが重視されているかが明確になりました。
未経験者を採用しない理由として、最も多く挙げられたのが「教育できるリソースがない」「教育体制を整えるのが大変」といったもので、教育リソースの不足が企業にとって大きな障壁となっています。
現場の育成の難しさ
さらに、現場の意見として、「クライアントの要求水準が高いため経験者でなければ対応できない」という声も多く、未経験者を採用し育成しながら業務を進めることが非常に難しい状況になっています。また、過去に未経験者を採用して失敗した経験が影響している企業も多く、長期間の勤務に対する不安やチームバランスの崩れを懸念する声も聞かれました。
こうした結果から、教育に関するリソース不足だけでなく、業務が属人的に回っている体制が、未経験者採用の障壁になっていることがうかがえます。
育てる採用の必要性
育成力のない現場では、未経験者を受け入れる余裕がなく、結果として即戦力の人材だけが求められる状況が続いています。このような環境を打破するためには、外部からの支援や育成ノウハウの共有、トレーニング環境の整備が必要です。企業と人材のミスマッチを解消するには、育てることを前提とした体制づくりが不可欠です。
オクトパスソフトウェアの取り組み
オクトパスソフトウェアでは、未経験人材の受け入れに不安を持つ企業に向けて、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)支援や実務に即した育成環境の提供を通じて、企業の負担を軽減するサービスを展開しています。この支援により、企業が「育てながら採用する」ための仕組みづくりを手助けしています。
さらに、同社はシステム開発の受託業務も行っており、ただシステムを作るのではなく、クライアントの業務課題にアプローチした開発支援を重視しています。開発後も継続的に改善提案を行うことで、顧客のニーズに寄り添った価値提供を行っています。
結論
IT業界における未経験者採用の現状は、依然として課題が多く残されていますが、育成支援がしっかりと整備されることで、より多くの企業が未経験者を受け入れやすくなることが期待されます。オクトパスソフトウェアの取り組みが、今後の業界の人材育成にとって重要な一歩となるでしょう。