サイバーセキュリティ講義
2025-11-19 14:09:36

木更津高専でサイバーセキュリティの未来を学ぶ特別講義開催

木更津高専が開いた特別講義でサイバーセキュリティに迫る



千葉県木更津市に位置する木更津工業高等専門学校(木更津高専)は、令和7年10月24日(金)に株式会社ラックの専門家を招いた特別講義を開催しました。この講義のテーマは「実務者が語るサイバーセキュリティ業務」であり、学生たちはサイバーセキュリティの最前線に触れ、実務に近い視点から学ぶ貴重な機会を得ました。

講義の内容



講義の冒頭では、株式会社ラックのサイバー・グリッド・ジャパンで主席研究員を務める長谷川長一氏が登壇しました。長谷川氏は、同社が取り組んでいる産学官連携の重要性や、国際的な活動の現状について詳しく語りました。株式会社ラックは、日本サイバー犯罪対策センター(JC3)に2017年から参画し、警察庁との協力によってサイバー犯罪対策を強化しています。また、インターポールのデジタル犯罪対策センターとの連携も行い、世界的なセキュリティ向上に寄与しています。

長谷川氏の説明によれば、サイバーセキュリティの対象はコンピューターだけでなく、ネットワークやクラウド、IoT、ロボット、さらには暗号資産やAIにまで広がっているとのこと。これに応じて、同社ではSOC運用やインシデントレスポンス、脅威インテリジェンス、ペネトレーションテストなど多彩な業務を展開しています。「高専生の実践力が求められる分野です。積極的な挑戦が期待されています」とのコメントが印象的でした。

後半では、株式会社ラック コンサルティング統括部に所属する前田恭耶氏が講師として登壇しました。前田氏は高知高専の卒業生で、現場での業務に主体的に取り組んでいます。彼は、インシデントレスポンスやデジタルフォレンジック業務を主に担当し、実際のサイバー攻撃への初動対応、証拠の保全、調査と解析といったプロセスについて詳述しました。「興味や関心、適性を考慮しながらキャリアを選ぶことが大切です。積極的に挑戦していきましょう」とエールを送ってくれました。

学生との質疑応答



講義の最後には、参加した学生たちとの質疑応答が行われました。学生たちは現場のリアルな状況に関心を寄せ、多くの質問を投げかけました。特に「サイバー救急センターへの相談頻度は?」という質問には、前田氏が「日々数件の相談があり、休日や年末年始でも対応している」と答え、現場の厳しさを示しました。また、「警察フォレンジックと企業フォレンジックの違いは何か」という質問には、立件目的の警察業務と、ビジネス継続を重視する企業業務の違いを明確に説明しました。

学習方法についても具体的なアドバイスが出され、「Hack The Box」や「TryHackMe」といったオンラインサービスやCTF(Capture The Flag)への参加が効果的だと紹介されました。これらの知識は、将来のキャリア形成にも役立つことでしょう。

講義のまとめ



講師陣からは「高専生ならではの独特の強みを生かして、ぜひコンテストやイベントに積極的に参加してください」とのメッセージが伝えられ、興味や関心を持った状態での挑戦がキャリア形成において重要であると強調されました。

木更津高専の未来



木更津工業高等専門学校は、1967年に設立された国立の高専であり、58年間にわたり、多くの卒業生を社会に送り出しています。その教育の方針は、国際的視野を持ち、自ら考え行動する能力を育むことを目指しています。今回の特別講義もその一環であり、学生たちにとって、サイバーセキュリティという新しいフィールドでのキャリアを考える良い機会となりました。今後の木更津高専のさらなる発展を期待したいと思います。


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