インフラエンジニアのキャリアと働き方の現状
IT業界におけるインフラエンジニアの役割は多様化しており、そのキャリアや働き方に関する最近の調査が注目されています。株式会社ラクスパートナーズが実施した調査によると、インフラエンジニア304人を対象にしたデータから、彼らの業務内容や就業形態、年収、資格取得の傾向について多くの興味深い事実が明らかになりました。
業務内容の多様性
調査によると、インフラエンジニアの職務には、「セキュリティ」(25.0%)、その後に「構築メンバー」(23.7%)や「設計担当」(20.1%)が続き、キャリアの多様性がうかがえます。特にセキュリティ業務は、今後ますます重要となる分野であり、インフラエンジニアとしての専門性を高めるチャンスといえるでしょう。また、業務内容においても特定の領域に偏らず、広くさまざまな技術に対応する能力が求められています。
就業形態の実態
インフラエンジニアの就業形態は、「自社開発」が42.4%と最も多く、続いて「受託開発」(36.2%)や「派遣(SES)」(15.8%)が挙げられました。これにより、自社プロジェクトに深く関与しながらも、外部の案件やプロジェクトにも柔軟に対応することが求められる現状がわかります。また、フルリモート勤務やハイブリッド勤務が主流となっており、インフラエンジニアが場所にとらわれない柔軟な働き方を選べる点も特筆すべきでしょう。
転職と勤続年数
転職回数に関しては、1〜2回が過半数を占めており、特に「2回」が最多でした。このことから、インフラエンジニアはある程度のキャリア形成を経てから転職を考える傾向にあると考えられます。さらに、勤続年数においても、「3〜5年未満」が最も多く、長期的に同じ職場での成長を目指す姿勢がうかがえます。
年収の実態
年収に関するデータでは、500万円から700万円がボリュームゾーンとして位置づけられ、年収アップの要因として「資格取得」が圧倒的に高い評価を得ています。他には「マネジメント'経験」や「高度な技術領域への挑戦」も年収を押し上げる重要な要素として挙げられています。加えて、基本情報技術者などの基盤資格に加え、ネットワークやクラウド関連の資格を持つインフラエンジニアが多いことも特徴的です。
労働環境の実態
労働時間については、月に10〜20時間の残業が最も多く、極端な残業や休日出勤は少ないことが報告されています。全体的に休日出勤や夜営も「ごくまれにある」との回答が多く、インフラエンジニアとしての勤務環境が安定していると言えるでしょう。加えて、適度にメリハリのある働き方が実現されている背景には、インフラ技術者のプロ意識があることも見逃せません。
まとめ
本調査から、インフラエンジニアは資格取得を通じて専門性を高めつつ、フレキシブルな働き方を選び、バランスよくキャリアを築いていることがわかりました。今後も、複数にわたる技術領域の習得が成功のカギとなり、変化する技術環境に適応していく必要があります。インフラエンジニアとしてのキャリアを考える際には、資格取得や専門スキルの充実が不可欠であることが明確になった調査結果です。これからの道を切り開くヒントを見つける一助となれば幸いです。